過払い金請求と信用情報

過払い金請求をすることにより、個人信用情報に何らかの情報が登録されてしまうのを心配されている方も多いかと思います。けれども、過払い金の返還請求をしたことにより、信用情報に傷が付くことは無いのが原則です。ただし、注意すべきこともありますので、以下に解説をしていきます。

過払い金請求と信用情報(目次)
1.個人信用情報には何が登録されるのか
2.完済後の過払い請求の場合
3.返済中の過払い請求の場合
4.過払いになっていなかった場合

1.個人信用情報には何が登録されるのか

まず、信用情報への登録内容に『過払い金請求』というような情報は存在しませんから、『過払い金請求』をしたとの情報がそのまま信用情報に登録されることはありません。もしも、信用情報に登録されるとすれば『債務整理』をした場合と同様の情報です。

債務整理などの事故情報が登録されている状態を、俗にブラックリストに載っているといいます。信用情報へ事故情報が登録されている(ブラックリストに載っている)状態だと、新たに借入れをしたり、住宅や自動車のローンを組むのは困難です。

ただし、登録された情報は5年程度で消えますから、信用情報に傷が付く(ブラックリストに載る)ということを、通常はそれほど恐れる必要はないともいえます。もちろん、それでも信用情報に傷が付かないに超したことはありませんから、以下のとおりケース分けして検討します。

2.完済後の過払い請求の場合

完済している、つまり、現時点で借入が無い場合には、過払い金請求をすることで信用情報へ何らかの情報が登録されることはありません。したがって、完済後の過払い請求をすることによるデメリットは一切無いわけです。

ただし、完済した直後だと、信用情報に『完済』の情報が登録されていないことがあります。この状態で、過払い金請求をすると『債務整理』の情報が一時的に登録される可能性があります。

この情報は後で削除されますから通常は問題になることは無いでしょうが、万全を期すのであれば、完済から少し時間をおいてから過払い金求の手続を開始した方が安心です。また、完済した際に解約の手続もしておくとより確実です。

上記をまとめると、完済後の過払い請求では信用情報に傷が付くことはありません。さらに、一時的にでも事故情報が登録されるのを防ぐには、完済した際に解約の手続きをし、少し時間をおいてから過払い請求の手続を開始すればより確実でしょう。

3.返済中の過払い請求の場合

返済をしている途中、つまり、約定利率による計算では債務が残っている状態であっても、法定利率による引き直し計算をすれば過払い金が発生していることがあります。その場合でも、過払い金返還請求をすることで信用情報に傷が付くことはありません。

正確にいえば、借入残高がある状態で認定司法書士等士から相手方に通知を送ると、一時的に『債務整理』したとの事故情報が登録されます。しかし、その後に過払い金が発生していることが判明し、その過払い金を返還するとの和解が成立することによって、事故情報が削除されるわけです。

したがって、司法書士に依頼してから、過払い金返還を返還するとの和解契約が成立するまでの間は、新たなローンの申込などは避けるべきでしょう。

4.過払いになっていなかった場合

上記3のケースは、約定利率による計算では債務が残っている状態だったのが、法定利率による再計算(引き直し計算)をしたところ、過払い金が発生していたものです。

これが、もし再計算によっても過払いになっていない、つまり、債務が残っている状態だったとすれば、その残債務を一括、または分割払いするとの和解契約をすることになります。この手続は、債務整理の手続の一つである任意整理ですから、信用情報に『債務整理』の情報が登録されるのは当然です。

したがって、返済期間中に過払い金請求をする場合、法定利率による再計算によって過払いになっていれば信用情報に傷が付くことはないものの、もし、債務が残ったとすれば「債務整理」になってしまうということです。

ただし、過払い金請求の経験が豊富な専門家(認定司法書士、弁護士)ならば、相談時にお話しを伺えば、現時点で過払いになっているのかはだいたい予想ができます。過払い金請求をするにあたって心配なことなどあれば、松戸の高島司法書士事務所へご相談ください。経験豊富な認定司法書士が丁寧にご説明します。

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