この記事は、清算結了の登記申請をする際に添付する決算報告書の記載について書いています。専門的な内容ですので、司法書士に会社解散・清算結了登記を依頼する場合には、とくに事前にお読みいただく必要はありません。

一般的な解説については、松戸の高島司法書士事務所ウェブサイトの「会社解散・清算結了の登記手続き」のページをご覧ください。

決算報告書の記載事項

清算結了登記の際に添付する決算報告書は、次に掲げる事項を内容とするものであることが必要であるとされています(会社法施行規則第150条)。

1 債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額

2 債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額

3 残余財産の額(支払税額がある場合には、その税額及び当該税額を控除した後の財産の
額)

4 一株当たりの分配額(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式一株当たりの分配額)

また、上記4に掲げる事項については、次に掲げる事項を注記しなければなりません。

(1) 残余財産の分配を完了した日

(2) 残余財産の全部又は一部が金銭以外の財産である場合には、当該財産の種類及び価額

残余財産の額の算出

具体的な計算例としては、上記1の「債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額」から、2の「債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額」をマイナスすることにより、3の「残余財産の額」を算出し、そこから1株当たりの分配額が導き出されるわけです。

しかし、上記1から2を差し引いたときに、3がプラス(残余財産がある)になるとは限りません。たとえば、社長からの借入分について、返済しきれない分を債務免除しているような場合です。債務免除により会社に債務がない状態となったことで、清算結了しています。

決算報告書への記載

上記のようなケースの場合、決算報告書には「現在の残余財産の額は金0円である」こと、そのため、「清算換価実収額も金0円であるから、株主への分配はない」ことを記載することになるでしょう。

また、決算報告書に上記のような記載をしているということは、債務免除により既に会社に債務がない状態で決算報告がされ、臨時株主総会においてその承認がなされているということです。したがって、清算結了登記の際に債権放棄証書などの書面を添付する必要もありません。

清算結了の登記に添付する決算報告書は、法務局ウェブサイトの「株式会社清算結了登記申請書」のページに記載例がありますが、実際に決算報告書を作成する際には、簡単に数字を当てはめるだけというわけにはなかなかいきません。

このときも税理士事務所から出てきた財務報告書から、どのように決算報告書を作成するのか少し頭を悩ませましたが、債務免除についての記載などは入れない簡潔な決算報告書とし、無事に登記が完了しています。