日本政策金融公庫から融資を受ける際の、担保となる不動産への抵当権設定登記のご依頼をいただきました。先に抵当権設定登記をおこない、完了した後に融資が実行されるとのことです。手続きの流れは次のとおりです。

まずは、日本政策金融公庫から渡された抵当権設定契約証書、委任状、借用証等へ署名押印をして、印鑑証明書とともに公庫へ提出します。その後、公庫で必要事項等の記入をしてから、登記申請に必要な書類等の一式として申込者に交付されます。

この登記申請に必要な書類等の一式に加えて、不動産の所有権に関する登記済証(または、登記識別情報通知)があれば抵当権設定登記がおこなえます。

日本政策金融公庫では必ずしも司法書士へ依頼することを求めておらず、公庫からの案内書類には「登記申請の手続きは、司法書士に依頼することができます。」と書かれています。しかし、不動産登記の知識がない方がご自分で抵当権設定登記をおこなうのは難しいと思われるので、司法書士に依頼するのが通常です。

当事務所へご相談いただける際は、事前にご予約のうえご相談にお越しくださるようお願いいたします。

抵当権設定登記の手続きと必要書類

もしも、ご自分で抵当権設定登記をしようとするなれば、次のような準備をご自分でおこなうことになります。なお、抵当権設定登記申請書の例は下記のページでご覧いただけます。

不動産登記の申請書等の様式について(法務省)

登記に必要な書類は次のようなものです。この他に、登記申請書を作成して必要書類とあわせて法務局へ提出するわけです。

  • (根)抵当権設定契約証書
  • 委任状(抵当権者、設定者)
  • 日本政策金融公庫の会社法人等番号
  • 登記済証(または、登記識別情報通知)・・・不動産の所有権に関するもの
  • 抵当権設定者(不動産所有者)の印鑑証明書 ・・・発行後3ヶ月以内

(根)抵当権設定契約証書が登記原因証明情報となるので、原本とともにコピーを提出して原本還付を受けるようにします。もしも、原本を登記原因証明情報として提出すると、(根)抵当権設定契約証書の原本が登記完了後に返却されないこととなってしまいます。司法書士にとっては当然の話ですが。

また、登録免許税法第4条第2項別表第3により登録免許税が非課税となるためには、非課税であることの証明書として、借主が個人の場合には住民票または印鑑証明書(いずれも6ヶ月以内)を添付します(借主が法人の場合は、その法人の登記事項証明書等を添付)。なお、不動産所有者と借主が同一の場合、抵当権設定者の印鑑証明書があればその1通で足ります。

登記が完了したら、(根)抵当権設定契約証書、抵当権についての登記識別情報通知、登記事項証明書を、日本政策金融公庫に提出すると、その後に融資が実行されるという流れになります。