クレジットカード会社からの訴状への対応

株式会社クレディセゾンを原告とする、立替金等請求(信販)事件の訴状が届いたとのご相談がありました。裁判所は東京簡易裁判所です。

大手クレジットカード会社である株式会社クレディセゾンは、そもそも強硬な取り立てや、執拗な督促行為などはおこなわない会社であるはずです。しかし、今回のご相談のケースでは、最後の返済のときから約1年が経過したため、裁判所へ訴状を提出すに至ったようです。

なお、実際に訴訟を提起する前に、株式会社クレディセゾンは、借主(依頼者)に対して、訴状のサンプルを送付しています(送付書には「法的申立書一式の写し」と書かれています)。したがって、クレディセゾンから訴状のサンプルが送られてきた場合には、その後、正式に訴えを起こされるものだと考えるべきでしょう。

認定司法書士による訴訟代理業務

クレジットカード会社から立替金等請求(信販)事件の訴訟を起こされた場合、自分で答弁書を作成して裁判所へ提出し、口頭弁論期日の当日に裁判所へ出頭することによっても和解を求めることができます。原告(クレジットカード会社)との間で和解が成立したら、その和解内容にしたがって支払いをおこなっていくことになります。

また、原告や裁判所とのやりとりを自分でおこなうのが難しいという場合、弁護士または認定司法書士に訴訟代理の委任をすることもできます。この場合、弁護士または認定司法書士が訴訟代理人となり、口頭弁論期日に出頭(出席)します。

クレディセゾンとの和解交渉

ご相談の結果、当事務所の認定司法書士に訴訟代理の委任をしていただくこととなりました。そこで、債務整理の委任契約書や、訴訟委任状に署名押印をいただいてから、さっそく、原告株式会社クレディセゾンの担当者と連絡を取りました。

すると、代理人が付いたとしても訴訟の取下げはしないが、裁判所における口頭弁論期日前の和解交渉には応じるとの回答です。そして、代理人司法書士と原告担当者との交渉の結果、月額1万円の分割払いで合意に至りました。

和解に代わる決定による解決

裁判所へ提出する答弁書には、この和解内容および和解に代わる決定を求める旨を記載しています。これにより、口頭弁論期日に裁判所へ行くことなしに「和解に代わる決定」を得ることができました。なお、和解に代わる決定は、裁判上の和解と同一の効力を有します(民事訴訟法275条の2第5項)。

結局、依頼者(原告)ご本人も、訴訟代理人である司法書士も、一度も裁判所へは出向くことなしに和解に至ることができたわけです。裁判所による決定書には、決定の理由として次のように書かれています。

被告は,和解を希望する旨の答弁書を提出したが本件口頭弁論期日に出頭しない。当裁判所は,被告の資力その他の事情を考慮して相当であると認め,原告の意見を聴いて,民事訴訟法第275条の2に基づいて主文のとおり和解に代わる決定をする。

クレジットカード会社などの債権者から裁判を起こされた場合、どうしたらよいか分からないからといって何もせずに放置するのは避けるべきです。また、裁判所から送られてきた書類を受領拒否しても、訴訟や支払督促から逃れることはできません。

自分で対応するのが難しいと考えるときは、弁護士または認定司法書士にご相談ください。当事務所でも認定司法書士が訴訟代理のご相談・ご依頼を承っていますので、事前にご予約のうえご相談にお越しください(なお、認定司法書士が訴訟代理をおこなえるのは、簡易裁判所における訴訟に限られます)。

裁判所から訴状、支払督促が届いたら(高島司法書士事務所)

●民事訴訟法第275条の2(和解に代わる決定)

 金銭の支払の請求を目的とする訴えについては、裁判所は、被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、被告の資力その他の事情を考慮して相当であると認めるときは、原告の意見を聴いて、第3項の期間の経過時から5年を超えない範囲内において、当該請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをして、当該請求に係る金銭の支払を命ずる決定をすることができる。

2 前項の分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。

3 第一項の決定に対しては、当事者は、その決定の告知を受けた日から2週間の不変期間内に、その決定をした裁判所に異議を申し立てることができる。

4 前項の期間内に異議の申立てがあったときは、第1項の決定は、その効力を失う。

5 第3項の期間内に異議の申立てがないときは、第1項の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。

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