消滅時効の援用が失敗したとき

消滅時効の援用をしてみたものの、時効が認められず失敗してしまう例はごく僅かです。この記事では、消滅時効の成立する時期、時効が縦断する場合について整理した後に、消滅時効援用が失敗した場合の解決方法についての解説をします。

1.消滅時効が成立する時期は
2.時効が中断している場合は
3.消滅時効の援用が失敗したとき
4.どのような和解が可能か

1.消滅時効が成立する時期は

消滅時効は権利を行使することができる時から進行するものとされています(民法166条1項)。

債権の行使とは、債権者が債務者に対し請求をおこなうことをいいますが、請求することができるのは弁済期(支払期日)が到来してからです。たとえば、2016年5月31日が弁済期だとすると、その日が到来するまでは支払期限が来ていないわけですから、請求することもできません。5月31日になってはじめて「すぐに支払ってください」と言えるのです。

消滅時効が進行を開始するのも、「権利を行使することができる時」である「弁済期が到来した時」からです。

貸金業者(消費者金融、クレジット会社など)からの借金については、商行為による債権に該当するため、民法で定められた10年間ではなく、商法の規定によって5年間で消滅時効が成立します。

したがって、弁済期(支払期日)が到来したときから5年間が経過すると消滅時効が成立することになります。

2.時効が中断している場合は

ただし、この5年の間に消滅時効の中断があった場合には、その時点で消滅時効の進行が振り出しに戻っていますので、弁済期から5年が経過しているはずなのに消滅時効が成立していないこともあり得ます。

自らが支払いをしてしまった場合に時効が中断するのは当然として、訴訟の提起や支払督促など法的手続きによる請求を受けた場合にも時効は中断します。裁判所での判決などにより権利が確定している場合、消滅時効期間は権利確定のときから10年となります。

裁判所から訴状や支払督促が送られてくるときは、特別送達という特殊な郵便によりますから、いつの間にか郵便受けに入っていたということはありません。

しかし、本人でなく家族であっても特別送達を受け取ることはできますし、訴状や支払督促の受け取りを拒否しているときには、付郵便送達(書留郵便に付する送達)がおこなわれることもあります。付郵便送達では、実際にその書留郵便を受け取らなくても、発送された時点で送達があったものとみなされます。

このような場合に、裁判を起こされた記憶はないのに、いつの間にか消滅時効が中断していたということもありますが、現実には弁済期から5年が経過した後に請求を受けているケースで、時効が中断している例はあまり多くありません。

裁判を起こされたことをご自身で把握している場合を除けば、訴訟や支払督促によって知らぬ間に時効が中断しているケースは、ごく僅かだと言ってよいでしょう。よって、予期せず消滅時効の援用が失敗する場合もごく少数です。

なお、5年間の消滅時効期間が経過した後に、訴訟や支払督促が起こされることがありますが、この場合には、訴訟などを提起しただけで時効が中断することはありません。訴訟が起こされた後であっても、適切な方法で消滅時効の援用をすれば、債務の支払い義務は消滅します(くわしくは、消滅時効の成立後に訴状(支払督促)が届いたときをご覧ください。)

3.消滅時効の援用が失敗したとき

消滅時効の援用をする前には、必要に応じて相手方から取引履歴の開示を受けるなどして最終取引時期を確認します。しかし、債権譲渡を受けたとする会社から請求を受けている場合など、取引内容の確認が困難であるときには、事前調査をおこなわずに消滅時効援用をすることもあります。

そのような場合に、消滅時効援用をした後になって、相手方から訴訟や支払督促により時効が中断しているとの主張をされることがあります。そのようなときは、判決の写しを送付してもらうなどして内容を確認し、それが事実であることを認めるならば、支払い義務があることを前提にして相手方との話し合いをします。

なお、当事務所では消滅時効の援用が認められなかったときの、その後の相手方との交渉もおこなっています。この和解交渉について追加費用がかかるようなことはありません。

4.どのような和解が可能か

消滅時効援用をした後に和解交渉をするとなれば、最後の取引の時から5年以上が経過しているわけですから、最終取引時の元本に多額の利息や損害金が加算されています。多くの場合、元本よりも利息や損害金の方が多くなっています。

相手方と和解をする場合に、元本および利息・損害金の全額を絶対に払う必要があるとは限りません。任意の和解交渉では、あくまでも話し合いによりますから、元本のみの支払いで和解が成立することもあり得ます。

相手方によっては、元本および利息・損害金の全額を支払うとの内容でなければ絶対に和解に応じないこともありますが、もっと柔軟に話し合いに応じてくれる債権者もあります。

たとえば、元本を一括払いするのであれば、利息および損害金の支払いを免除してもらえるケースも多いです。元本を含めた全額を分割払であれば、利息損害金について全額の免除を受けるのは難しい場合が多いですが、それでも金額について交渉の余地はあります。

相手方との和解が成立した場合には、和解契約書を作成し、支払いをすることになります。どうしても和解が困難であり、債務が残ってしまうときには、自己破産申立てなどを検討することもあります。

当事務所では、ただ単に消滅時効の援用を請け負うだけでなく、長年に渡って債務整理業務に取り組んできた経験と知識を生かし、個々の事情に応じてベストな解決策をご提案します。当事務所へのご依頼を検討の際は、借金の消滅時効の援用のページもぜひご覧ください。

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