債務整理(任意整理)で支払いが出来ない場合

債務整理のうち、債務の元本を分割で支払っていくのが任意整理です。任意整理をする際には、月々の支払いを無理なく出来るような和解契約を結んでいるはずです。

けれども、任意整理による支払期間は3年や、もっと長期間にわたることもありますから、支払いをしている途中で収入の減少や失業などにより返済が困難になることも考えられます。債務整理(任意整理)の支払中に月々の返済が不可能になってしまった場合には、どうすればよいのでしょうか?

任意整理で支払いが出来ない場合(目次)
1.支払いが出来ないのが一時的である場合
 1-1.期限の利益の喪失とは
 1-2.毎月の支払期日を何度も過ぎた場合
2.今後も支払いをするのが不可能な場合
 2-1.2度目の任意整理は可能か
 2-2.自己破産、個人民事再生の検討
3.債務整理後に支払えなくなったら誰に相談すればよい?

1.支払いが出来ないのが一時的である場合

病気やケガ、その他の事情により一時的な支出増があったとき、または、失業や転職にともない一時的に収入の無い時期があったことなどにより、今月分だけがどうしても支払えないということもあるでしょう。

「今月分を払うのは不可能だが、来月になればまた普通に支払える」というときには、現在の任意整理による和解契約を無効にすることなく、今後も支払いを継続していくのが第一の選択肢です。つまり、あらためて債務整理をする必要などはないわけです。

1-1.期限の利益の喪失とは

任意整理の和解契約では、「延滞額が毎月の支払額の2回分以上となった場合は、当然に期限の利益を喪失する」というような文言が入っているのが通常です。

「期限の利益を喪失する」とは、それまでのような分割払いではなく、残っている債務の全額を一括返済しなければならないということです。さらに、期限の利益喪失後は、債務の元本に利息(遅延損害金)を加算して支払うとなっている契約書もあります。

この2回分というのは、たとえば毎月の支払い金額が1万円だったとすれば、不足額が2万円以上になった場合のことを指します。したがって、今月末の支払いが出来なかったとしても、翌月末までに最低1回分の支払いが出来るのであれば、不足分が2万円になることはありません。よって、この場合には期限の利益を喪失することはないわけです。

1-2.毎月の支払期日を何度も過ぎた場合

つまり、たとえ約束の支払い日を何度も過ぎてしまったとしても、不足金額が2回分以上にならなければ、任意整理の和解契約が無効になることは無いのです。よって、全く払えない月が2回以上連続するのでなければ、任意整理に基づく返済を継続していくことが第一の選択肢となります。

なお、かりに2回分の返済が遅れてしまったとしても、その後に支払いを再開すれば分割払いによる返済に応じる債権者がほとんどです。遅延損害金の支払いについても免除してもらえることが多いと思われます。そうであれば、契約上は期限の利益の喪失しているとしても、任意整理による和解金額の全額を支払えば、問題無く債務整理を終えることが出来るわけです。

したがって、2回分遅れてしまったからといって諦めてしまうのでは無く、出来るだけ早く支払いを再開すれば何ら問題が生じること無く、債務整理を続けていくことが可能な場合も多いのです。

2.今後も支払いをするのが不可能な場合

債務整理(任意整理)により支払いをしている最中に、リストラによる退職や、病気やケガによる失業で仕事が出来なくなったことにより、今後の返済が不可能になってしまうこともあります。

この場合、なにも対策をしないでいるうちに返済が2回分遅れてしまえば、上記のとおり任意整理の和解契約が無効になり、期限の利益を喪失してしまうことになります。

2-1.2度目の任意整理は可能か

このような場合に、再度の債務整理(任意整理)をすることで返済条件を変更し、新たな和解契約を締結することも可能ではあります。ただし、2度目の任意整理をしても、せいぜい遅延損額金の免除を受けられる程度で、支払総額が大きく減ることはありません。

また、新たに専門家(認定司法書士、弁護士)に任意整理を依頼したとすれば、もう一度、任意整理の報酬(手続費用)がかかってしまうことになります。さらに、そこまでして再度の任意整理をしても、収入が絶たれている状況では、債権者の同意を得ることは難しいかもしれません。

2-2.自己破産、個人民事再生の検討

そこで、ご家族等の援助を受けて支払いをすることもできないのであれば、自己破産、または個人民事再生の申立を検討することになります。

一度、任意整理による債務整理をしたのに、後になって支払いが出来なくなったからといって、自己破産や個人民事再生をするなどということが認められるのだろうか?と心配される方もいらっしゃるかもしれません。けれども、結論からいえば、任意整理後に自己破産や個人民事再生の申立てをしたとしても、全く問題ありません

最初に債務整理をする際に、借りたものは何とかして返そうと考えて任意整理を選択したものの、その後の状況の変化により返済が不能になったわけです。そのときになって、自己破産申立をしたとしても、それまでの努力は当然評価されますし何ら責められることは無いのです。

裁判所での自己破産や個人民事再生の手続においても、任意整理をしたのに支払いができなくなったからといって不利になることは一切無いと考えて良いでしょう。

3.債務整理後に支払えなくなったら誰に相談すればよい?

任意整理をして支払いをしている最中に、今後の支払いが困難になってしまったら、早めに相談して対策を講じるべきです。何もしないでいるうちに、返済期日を過ぎてしまえば解決が余計に困難になってしまう恐れもあります。

支払いが困難になったらまず相談すべきなのは、債務整理(任意整理)を依頼していた司法書士、弁護士でしょう。当事務所でも、以前に任意整理のご依頼をいただいた方についての、自己破産申立をすることも決して珍しくありません。

任意整理の仕方に問題があったわけではなく、任意整理をした後になって事情に変化が生じたのですから、そこで新たな債務整理方法を選択することも当然あり得るわけです。

しかし、弁護士や司法書士によっては、任意整理による和解が成立した時点で債務整理の委任事務は終了したとして、その後の相談には応じないこともあるようです。そのような場合、別の司法書士や弁護士に新たに依頼するしかありません。

債務整理に真摯に取り組んでいる事務所であれば、任意整理による支払いが出来なくなった方からのご相談だからといって依頼を断るようなことはありません。仮に断られたとすれば、そういう事務所に頼まずに済んで良かったと考えればよいだけです。

いずれにせよ先延ばしにすることで状況が改善することはありません。あきらめてしまうこと無く、少しでも早く専門家に相談するのが大切です。当事務所でもご相談を受け付けておりますので、ご予約のうえお早めにご相談にお越しください。

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