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相続登記で外国籍の相続人がいるとき
(最終更新日:2022/12/2)
遺産分割協議による相続登記をする際、当事者(被相続人、相続人)の中に外国籍の方がいる場合、当事者が日本人のみの場合と比べて必要書類などに異なる点があります。
被相続人が外国籍である場合、その相続は被相続人の本国法によるので、被相続人の国籍により適用される法律が異なります。そのため、被相続人が日本人である場合と同様の手続きをするわけにはいきません。
しかし、被相続人が日本人で、相続人中の1人が外国籍である場合には、その相続は日本の民法によるので、相続人が外国籍であっても日本国内に住民登録があるならば、相続登記をするのにあたり難しいことはありません。
外国籍の場合の相続人であることの証明
被相続人Aが平成30年に死亡したとき、相続人は長女B、長男Cの2人でした。しかし、遺産分割協議をしないでいるうち、長男Cが令和3年に死亡したことにより、長男Cが有していた相続人としての権利義務が妻D、子Eに承継されています。
被相続人Aの相続に続き、長男Cの相続が生じたことで、いわゆる数次相続の状態となっているわけです。そのため、被相続人Aについての遺産分割協議は、長女B、長男Cの妻D、長男Cの子Eの3人が当事者となっておこなうことになります。
しかしながら、長男Cの妻Dが外国籍であるため、相続関係を証するための戸籍謄本がありません。この場合、妻Dが相続人であることをどのようにして証明するのでしょうか。
まず、法の適用に関する通則法第36条において、「相続は、被相続人の本国法による。」と規定されているため、被相続人が日本人である場合の相続は、日本の民法によります。したがって、長男Cの妻Dは相続人の1人なのであり、このことはDが外国籍であっても変わりありません。
この場合、長男Cの戸籍の婚姻事項に、「婚姻日」「配偶者氏名」「配偶者の国籍」「配偶者の生年月日」が記載されているので、これらの記載により妻Dが相続人であることが確認できます。
また、外国人についても住民登録がされている市町村で、印鑑登録をして印鑑証明書の交付を受けることができます。よって、日本人の場合と同じく、遺産分割協議書に署名し実印により押印することで、相続登記をすることが可能であるわけです。