住所を証明するための書類としては、住民票の他に「戸籍の附票」があります。

戸籍の附票は、戸籍謄本(抄本)を取ると一緒に付いてくるわけではなく、戸籍の附票(ふひょう)という独立した1つの書類です。住民票は住民登録をしている市区町村で取りますが、戸籍の附票は本籍地のある市区町村で発行されます。

戸籍附票は、その名のとおり戸籍に付随するものですから、戸籍が編成されるのと同時に作られます。具体的には、婚姻、転籍(同一市内の転籍を除く)、分籍などにより新しい戸籍ができたときに作られるほか、戸籍が改製されたときには附票も同時に改製されます(改製前のものは、改製原戸籍の附票として交付請求できます)。

戸籍の附票には、本籍、筆頭者の氏名の他、戸籍に入っている人それぞれの、氏名、住定年月日(住所を定めた年月日)、住所などが記載されています。

また、住所については、その戸籍が新たに作られてから現在に至るまでのすべてが記載されています。つまり、同じ戸籍にいる限り何度も住所を移転した場合でもそのすべての履歴が記載されるので、1通の戸籍附票で旧住所が全部判明するのです。

戸籍の附票(記載例)

住民票と、戸籍附票との比較

住所を証明するための書類(住所証明書)としては、住民票の方が一般的です。しかし、住民票に記載されるのは、同一市区町村内での移転、または直前に住民登録をしていた市区町村の住所のみです。

それ以前の旧住所を証明するためには、現在の住民票1通だけでは足りません。そこで、以前に住んでいた市区町村で住民票の除票(除住民票)を取る方法も考えられますが、戸籍の附票による方が容易な場合が多いです。

不動産登記(所有権登記名義人住所変更登記、相続登記など)をする際には、登記簿上の住所と現住所が一致しない場合、その住所移転の経緯をすべて証明できる書類が必要です。この証明書類として、戸籍の附票がよく利用されているのです。