1.戸籍の改製とは

戸籍の改製とは、戸籍に関する法律(戸籍法)の改正にともなって、新たに戸籍を作り直すことをいいます。改製により新たに作られた戸籍が現在戸籍、改正前のものは改製原戸籍(かいせいげんこせき)となります。

戸籍の制度ができた明治時代以来、何度か戸籍の改製がおこなわれており、最も新しいのは平成6年の法務省令によるものです。この法改正によって、それまで紙の戸籍簿により戸籍を管理していたのを、コンピューターのデータとして管理できるようになりました。

これにともない、戸籍の電算化(コンピューター化)がおこなわれた市区町村では、戸籍が改製されています。コンピューター化前の改製原戸籍を、とくに平成改製原戸籍と呼ぶことがあります。

なお、上記以前の戸籍改製は昭和32年の法務省令によります。これは、それまで家単位で編成されていた戸籍が、夫婦とその子という現在の形式に変更されたので、それにともない戸籍の様式も変更することになったものです。

2.改製原附票とは

戸籍が改製された場合、戸籍の附票も新たに作成されることになります。そして、改製前の附票は、改製原戸籍の附票(改製原附票)となります。

現在戸籍の附票には、改製がおこなわれた時点の住所、およびそれ以降の現在までの住所が記載されます。そこで、改製前の住所が必要な場合には、改製原附票をとることになります。

改製原附票の保存期間

住民票の除票及び戸籍の附票の除票の保存期間が延長されました(2024年1月25日追記)

住民基本台帳法施行令の一部改正(令和元年6月20日施行)により、平成26年6月20日以降に消除または改製された住民票の除票および戸籍の附票の除票の保存期間が5年から150年に延長されました。ただし、同施行令の施行日が令和元年6月20日であるため、5年前の平成26年6月19日以前に消除または改製された住民票の除票および戸籍の附票の除票については、すでに保存期間が経過しているため、適用の対象外となります。

つまり、現在では平成26年(西暦2014年)6月20日以降に消除または改製された住民票の除票および戸籍の附票の除票の保存期間は150年になっているので、被相続人が死亡したのが平成26年(西暦2014年)6月20日であれば、その後150年間は住民票除票が取得できるわけです。また、戸籍の附票の場合には、被相続人の死亡後でも同籍の存命者がいる限り消除されないので、被相続人の死亡が平成26年(西暦2014年)6月20日より前であっても取得できる可能性があります。

住民票の除票(除住民票)、除籍謄本の附票、改製原戸籍の附票の保存期間はいずれも5年間です。コンピューター化前の改製原戸籍については5年間を過ぎても保管している場合もありますが、早くに戸籍の電算化が完了した市区町村では、すでにコンピューター化前の戸籍附票を廃棄してしまっているケースも増えています。

改製原戸籍の附票が廃棄されてしまった場合、戸籍が改製される以前の住所を証明することは不可能です。そこで、本籍のある市区町村が戸籍の電算化を済ませている場合で、まだ改製原附票が廃棄されていないならば、今のうちに取得しておくと後で役に立つかもしれません。

除籍謄本・改製原戸籍およびその附票については、今後、記載内容が変わることは永遠にありません。したがって、いつ取得したものであっても旧住所を証明するための書類となります。

なお、千葉県松戸市では、戸籍の電算化(コンピュータ化)による改製は平成19年12月1日におこなわれており、現在ではコンピュータ化前の改製原附票は発行されなくなっています。