最近は、当事務所のもう1つのウェブサイト「松戸駅1分の高島司法書士事務所」の更新に力を入れていたため、本ブログの更新が滞っておりました。
久しぶりの投稿は、法人(株式会社)が発起人となる場合の株式会社設立登記についてです。
当事務所は千葉県松戸市にある小さな司法書士事務所であるため、これまでは、次のような最小限の形態による株式会社設立登記のご依頼が多くなっていました。
- 会社設立時の代表取締役に就任する方1人が100%出資をする
- 取締役会および監査役を設置しない
ところが、少し前に「法人(株式会社)が100%株主となって子会社となる株式会社を設立したい」とのご依頼がありました。
現在では、株式会社の定款認証を行う際に、公証役場へ「実質的支配者となるべき者の申告書」および実質的支配者該当性の根拠資料を提出しなければならないため、かつてよりも必要書類等について検討すべき事項が多くなっています。
そこで、法人(株式会社)が発起人となる場合の株式会社設立登記について、必要書類等を備忘録的に記事にしておくことにしました。
実務上の参考としてご覧いただくのは差し支えありませんが、公証役場(公証人)や法務局によって取扱いが異なる可能性もあるため、あくまでも自己責任でご利用ください。
法人が発起人となる株式会社設立登記(目次)
5.まとめ
1.今回設立した株式会社の内容
今回設立したのは次のような株式会社です。
- 株式会社1社のみが発起人となり、全額を金銭出資
- 発起人となる株式会社は、上場会社等およびその子会社ではない
- 発起人である株式会社の実質的支配者は、議決権の50%超を有する自然人(=発起人株式会社の代表取締役)
- 取締役会および監査役は設置しない
- 設立時取締役は2名で、そのうち1名を代表取締役とする
2.法人が発起人となる場合に定款認証で提出した書類
定款認証の際に公証役場へ提出した書類は、次のとおりです。
- 発起人から司法書士への委任状(委任者は発起人株式会社の代表取締役)
- 実質的支配者となるべき者の申告書(株式会社用)
- 発起人株式会社についての以下の書類等
- 印鑑証明書
- 履歴事項全部証明書
- 株主リスト
- 実質的支配者(代表取締役)の運転免許証の写し
3.実質的支配者の根拠資料について
なお、日本公証人連合会から日本司法書士会連合会に宛てた、令和4年7月14日付「株式会社が発起人である場合の定款認証の際の実質的支配者の根拠資料について」によれば、上記の認定根拠資料としては、株主名簿記載事項証明書、株主リスト、株主名簿のほか、当該会社のしかるべき立場にある者が作成名義人となっており、所要の事項(実質的支配者である株主の氏名・住所、保有株式数、議決権割合など)が記載されているもので足りるとされています。
なお、今回使用した株主リストは、法務省のウェブサイトからダウンロード可能な「株主リスト(簡易書式)」です。
4.定款認証後の株式会社設立登記について
公証役場での「定款認証」および「実質的支配者となるべき者の申告」の手続きが無事に完了すれば、その後はとくに難しい点はありません。
株式会社設立登記申請の添付書類となるのは、取締役2名の印鑑証明書です(発起人株式会社の印鑑証明書は不要です)。また、出資金の払込みは、発起人株式会社名義の銀行口座へ入金します。
自然人(設立時代表取締役)が出資する場合とは少し異なる点はあるものの、特に問題なく株式会社設立登記は完了しました。
5.まとめ
法人(株式会社)が発起人となる株式会社設立登記では、通常の個人(自然人)発起人による設立と比べて、定款認証の際に提出する実質的支配者の根拠資料について検討すべき事項が増えます。
もっとも、公証役場での定款認証と実質的支配者申告に関する手続きが適切に済めば、その後の設立登記申請自体は特別に難しいものではありません。
法人が発起人となる株式会社設立登記をご検討中であれば、必要書類や実質的支配者の確認資料について、あらかじめ司法書士へ相談しておくと安心です。
株式会社設立登記のご相談は、松戸の高島司法書士事務所へどうぞ。また、株式会社設立全般についての解説は、当事務所による株式会社設立登記のページをご覧ください。

