相続登記の申請の際に法務局へ提出する、相続関係説明図に関連する先例・質疑応答などを集めてみました(全文をそのまま掲載しているわけではなく、必要な箇所のみ要約等をおこなっています)。

司法書士高島一寛が自身で閲覧するために作成するものなので、参考にしていただくのは構いませんが、内容に誤りがあったとしても一切の責任を負いませんしご質問等も承っておりません。あくまでも自己責任でご利用ください。

千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)への相続登記(相続による不動産の名義変更)手続きのご依頼をお考えの方は、相続登記のページをご覧ください。


(最終更新日:2024年10月16日)

遺産分割協議により共同相続をする場合、相続関係説明図には持分の表示を記載する必要がある。

遺産分割協議に基づいて共同相続する場合、当該協議書及び戸籍の謄本を添付せずに各々原本還付を受けて相続関係説明図を提出する場合には、その説明図には持分の表示を記載する必要がある。当該登記申請書に添付する委任状には、その持分の記載は必ずしも必要ではない(登研468号95頁)

被相続人の最後の住所と、登記簿(登記記録)上の住所が同一でない場合は、それらを併記する。また、最後の住所が不明の場合には本籍地を記載する。

相続登記申請書に添付する相続関係説明図の被相続人の住所は登記簿の住所を書くが、それが登記簿上の住所と同一でない場合には、その旨を併記する。また、死亡時の住所を証する書面がとれない(除票し廃棄されている)場合には本籍を記載する(登研439号129頁)。

被相続人の登記名義人の表示が、錯誤・変更により戸籍・住民票等の表示と相違しているときは、相続関係説明図にそれらを併記する。

相続登記申請をする際に、被相続人の登記名義人の表示が、錯誤・変更により戸(除)籍・住民(除)票の表示と相違しているときは、相続関係説明図に、それらを併記すべきである。また、錯誤・変更の関係書面は戸籍、除籍等と共に還付して差し支えない(507号198頁)。

相続関係説明図には、被相続人の死亡以前に死亡した子および被相続人が離婚した者の氏名(ただし、相続人たる子がいる場合または死亡している場合等)も記載する。

相続関係説明図には、被相続人の死亡以前に死亡した子および被相続人が離婚した者の氏名も表示すべきである(登研439号128頁)

相続関係説明図には、当該相続に関係するすべての者を記載する必要がある。

相続関係説明図は、相続を証する書面中、当該相続による登記をなすにつき必要な事項及び関係者等を図によって明らかにしたものでなければならないので、離婚又は離縁した者であっても、当該相続に関係する者であれば、当然に記載する必要がある(登研394号253頁)。
相続による登記手続に関して、「相続関係説明図」を提出することにより、相続証書等の謄本に代えることを認めている趣旨は、申請人の負担の軽減と登記事務の能率的処理を図ることなどの理由によるものである。当該説明図は相続証書に代るべきものであるから、申請事件に関する全ての相続関係が記載されていることを要する(登研357号81頁)。

親権を証する戸籍等も原本還付できる。

「相続関係説明図」に申請人の親権者であること並びにその者の住所及び氏名が記載されている場合は、親権を証する書面の原本還付の請求に便宜応じて差し支えない(登研493号135頁)。

被相続人についての不在住証明も原本還付できる。

相続登記の申請書に相続関係説明図を添付した場合、被相続人に係るいわゆる不在証明書は、被相続人の同一性を証する書面として添付されるものであり、住所を証する書面ではないので、原本還付を受けることができる(登研403号78頁)。