このページで解説しているのは特殊なケースについてです。相続登記は相続人の名義にするためにおこなうのであり、通常は死者名義に相続登記をすることはありません。相続登記(相続による不動産の所有権移転、名義変更)についての一般的な解説は、松戸の高島司法書士事務所による相続登記のページをご覧ください。

死者名義への相続登記はおこなえるのか

死者名義への相続登記(相続を原因とする所有権移転登記)に続けて、相続人不存在を原因とする登記名義人氏名変更の登記をおこないました。

司法書士にとってはとくに難しい登記ではありませんが、実際に申請するに当たっては、本当にこれで良いのかと少し頭を悩ませましたので、備忘録的に記事にします。

死者名義への相続登記

上は登記事項証明書の一部です。千葉一郎は何年も前に死亡していますが、相続登記をしておりませんでした。一郎の相続人は子である千葉花子のみです。

さらに千葉花子が死亡しましたが、花子には相続人がいないため、利害関係人の申立てによって相続財産管理人が選任されました。

この場合に、下記の2件の登記をすることにより、登記名義人を亡千葉花子相続財産にしました。

登記の目的 千葉一郎持分全部移転
原因 平成○年○月○日相続
相続人(被相続人千葉一郎)
   千葉県松戸市松戸1176番地2
   亡千葉花子

登記の目的 所有権登記名義人氏名変更
原因 平成○年○月○日相続人不存在
変更後の事項 登記名義人 亡千葉花子相続財産

相続人不存在

2件の登記をした後の登記事項証明書は上の通りです。1件目の登記「千葉一郎持分全部移転」に続けて2件目の「登記名義人氏名変更」を2連件で申請していますが、登記事項証明書へは2件目の所有権登記名義人住所変更が「1番登記名義人氏名変更」、「2番登記名義人氏名変更」の2つに分けて、付記により記入されています(受付番号は同一)。

死亡者のために相続による所有権移転登記

なお、1件目の相続を原因とする持分全部移転では、死者を相続人とする登記をおこなっています。相続人不存在を原因とする所有権登記名義人氏名変更をするには、所有者が被相続人(千葉花子)となっていなければなりませんから、このように死者名義への相続登記をするしかありません。

死亡者のために相続による所有権移転登記ができることについては、次の質疑応答があります。

数次相続の開始の場合における中間の相続人のための相続登記の可否(登記研究209号)

問 登記簿上の所有者が甲であるが、甲が死亡して乙が相続し、さらに乙が死亡して丙丁戊が相続し、したがって、現在の相続人は丙、丁、戊でありますが、死亡者乙の相続による所有権移転の登記は、すべきでないとの説もありますが、乙がその不動産を生前第三者に売却している場合もありますので、死亡者乙のために相続による所有権移転の登記もできると思います。いかがでしょうか。

答 中間の相続人乙のために相続による所有権移転の登記をして差し支えないものと考えます(乙の死亡又は生存にかかわらず、また乙が生前売却していると否とにかかわりません。)。

当事務所では様々な相続登記申請をおこなっています。相続による不動産の名義変更のことなら、松戸駅徒歩1分の高島司法書士事務所へ何でもご相談ください。