不動産の所有者の住所が変わったときは、登記名義人住所変更の登記をします。以下は、専門的な内容が多く含まれているので、一般的な解説については松戸の高島司法書士事務所による登記名義人表示変更(住所、氏名)のページをご覧ください。

登記名義人住所変更(住居表示実施後の住所移転の場合)

登記名義人住所変更の登記をする際、登記されている住所から現住所に至るまでに何度か住所移転をしている場合でも、登記原因は最後の住所移転の年月日のみを記載すればよいとされています。そして、何度住所を移転していても登録免許税は不動産1個につき1,000円です。

それでは、住居表示の実施により住所が変更になったが、所有権登記名義人住所変更の登記をしないでいるうちに、住所移転をしているとき、これから所有権登記名義人住所変更の登記をする場合はどうでしょうか。

この場合でも、登記原因は住居表示実施による変更事項の記載をせず、「年月日 住所移転」の記載のみで差し支えありません(過去に異なる先例あり)。なお、登録免許税については、最終の登記原因が住所移転であるため非課税とはならず、不動産1個につき1,000円となります。

所有権の登記名義人の住所がAとして登記されているところ、住居表示の実施により住所がBとなり、その後当該登記名義人がCに住所の移転をした後、Bに住所の移転をした場合における登記名義人の住所の変更の登記は、変更の順に従って順次「住居表示実施」、「住所移転」、「住所移転」を原因として各別に申請するほか、中間の「住居表示実施」及び「住所移転」を省略し、登記原因及びその日付を、最後にしたBへの住所の移転及びその日により「年月日住所移転」として申請することができ、この場合の登録免許税は、登録免許税法5条4号により非課税とすることはできない(登研744)。

上記の事例では、最後にしたBへの住所移転により、元々の住所であったB(住居表示実施前はA)に戻ってきているから、特別に「住居表示実施による変更事項の記載を省略できるというわけではなく、最後の住所移転が別の場所であるDであったとしても同様だと思われます。

ただし、登記原因は「年月日住居表示実施」、「年月日住所移転」と併記すべきであるとしている先例もあります。

登記名義人の住所が住居表示及び住所移転により変更となった場合における登記名義人の表示の変更の登記の登記原因は、「年月日住居表示実施」、「年月日住所移転」と併記すべきである(登研370号)。

登記名義人の表示の変更の登記原因が、(1)昭和年月日住所移転」、(2)昭和年月日住居表示実施、(3)昭和年月日住所移転と順次数個生じた場合の登記原因及びその日付の記載は、昭和年月日住居表示実施、昭和年月日住所移転(最終の住所移転後の住所)のように、各種類ごとに最終の事由とその年月日を記載して差し支えない(登研381号)。

住所移転後の住居表示実施の場合

上記の事例とは異なり、住所移転をした後に、住居表示が実施されているときはどうでしょうか。この場合の登記原因は、「年月日住所移転」、「年月日住居表示実施」と併記します。そして、住居表示実施の証明書(住居表示変更証明書)を添付することにより登録免許税は非課税となります。

登記名義人の住所移転による変更と住居表示実施による変更の登記申請は、1個の申請によりすることができる。なお、右の場合に、最終の登記原因が住居表示の実施に伴う変更である場合は、登録免許税法第5条4号により非課税となる(昭和40年10月11日民事甲2915)。