株式会社のうち、取締役会設置会社については、監査役設置会社でなければならないので、最低1名の監査役が必要です。

ところが、取締役会非設置会社(取締役会設置会社でない株式会社)については、監査役を置くかどうかは任意となります。

今回は、現在は取締役1名、監査役1名の株式会社が、監査役設置会社の定めを廃止し、取締役1名のみの株式会社にするための手続きについて備忘録的に記します。

監査役だけでなく取締役会も同時に廃止する場合など、株式会社の機関設計変更の登記手続きについては、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)にご相談ください。

また、その他の会社の登記については、会社・法人登記もぜひご覧ください。

1.株主総会の決議

株主総会で、定款の「監査役設置会社である旨の定め」を廃止する決議をします。また、定款の中にある監査役に関連する規定についても同時に削除や修正をすることとなります。

監査役に関する規定がまとめて置かれているときには、「定款の第○○条から第○○条までを削除する」というような定款変更で済みますが、多くの場合、定款の規定を大幅に見直し変更する必要があります。

監査役は、監査役設置会社である旨の定めを廃止する決議と同時に退任となります(辞任届の提出などは不要です)。

たとえば、その総会の終結をもって監査役の任期が満了することとなる定時株主総会において、監査役設置会社である旨の定めを廃止する決議をすれば、その定時株主総会の開催日に監査役は退任します。

この場合、退任日が定時総会の開催日であることに変わりはないものの、定時総会の終結と同時に任期満了し退任するのではなく、監査役設置会社である旨の定めを廃止する決議と同時に退任するわけです。

2.登記申請

登記の事由は、「監査役の変更」、「監査役設置会社の定めの廃止」です。

ただし、「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」旨が登記されている場合には、その廃止の登記も申請する必要があります。

登記すべき事項は次のとおりです。
「役員に関する事項」
「資格」監査役
「氏名」○○○○
「原因年月日」令和○年○月○日退任
「監査役設置会社に関する事項」
「原因年月日」令和○年○月○日廃止

登録免許税は、監査役設置会社の定めの廃止4万円、監査役の退任1万円(資本金の額が1億円を超えない場合)の合計4万円です。