(2025年2月6日追記)
千葉県松戸市では、令和7年1月4日から住民票の写し・印鑑登録証明書の様式が変わっています。松戸市ウェブサイトの「令和7年1月4日から住民票の写し・印鑑登録証明書の様式が変わりました」のページには、「住民票の写しの変更点」として、次のとおりの記載があります。
・「転入前住所」欄の新設
転入する前の自治体の住所が必ず記載されます。転入後、市内で転居した場合でも、転入する前の自治体の住所が記載されます。また、転居により前住所が市内だった場合、これまで「前住所」欄に転居前の市内住所が記載されていましたが、「前住所」欄は廃止されました。転居前の市内住所の記載が必要な場合は、どの部分の異動履歴の記載を希望するかをお申し出ください。
・「転入した住所を定めた年月日」の記載ルールが変更
転入した後に一度も住所を異動していない場合、「住所を定めた年月日」は【空欄】と表記されます。
上記の変更により、市内転居の場合に前住所の記載がされなくなっています。たとえば、柏市から松戸市に転居し、さらに松戸市内で転居している場合、「転入前住所」として柏市の旧住所が記載されるのみで、松戸市の前住所の記載はされないわけです。
このページの記載についても、後日あらためて情報のアップデートをおこう予定ですが、現時点では、このページのこれ以降の記載は、令和7年1月4日の変更前の内容となりますのでご注意ください。
住民票の写しの様式は各市町村などにより異なる場合があります。このページの記載は、千葉県松戸市で発行される住民票などについてとなります。松戸市の不動産についての所有権登記名義人住所変更、その他の不動産登記については、松戸駅徒歩1分の高島司法書士事務所にご相談ください。
個人票式の住民票(登記名義人住所変更更正の添付書類として)
1.個人票式の住民票とは
現在、千葉県松戸市で発行される住民票には、世帯単位の住民票と、個人単位の住民票(個人票式)の2種類があります。
他の市町村でも、個人票式の住民票が発行されるようになっているところも多いと思われますが、開始時期などはそれぞれ異なるようです。
松戸市のウェブサイトでは、個人票についての記載は見つからなかったものの、市の広報誌に次のような記載がありました。
◆住民票の写し・印鑑登録証明などの様式が変わります。
○住民票の写し
これまでの世帯単位の住民票の写し(A4タテ型)1種類から、世帯の最新情報のみを記載した世帯単位の住民票の写し(連記式住民票・A4タテ型)と、最新情報に加えて市内転居・本籍の変更などの履歴事項も記載された個人単位の住民票(個人票・A4ヨコ型)の2種類になります。
松戸市で発行される個人票は、住民票の除票と同じ様式(A4ヨコ型)であり、1枚に1人のみが記載される個人単位の住民票です。
よって、世帯単位の住民票(A4ヨコ型)について、世帯中の1人のみのものを請求した場合とは、別ものであるわけです。
個人票には「最新情報に加えて市内転居・本籍の変更などの履歴事項も記載」されているというのがポイントです。
そのため、個人票を取得することで、登記名義人住所変更(更正)の登記をする際に必要な、住所移転等の経緯についての情報が得られることがあるわけです。
2.職権による住所変更の履歴の記載
今回は、松戸市で個人票を取得することにより、職権による住所変更の履歴を確認することができました。具体的な事例は次のとおりです。
土地の分筆によって、「松戸市松戸○番地」から「松戸市松戸○番地の5」のように住所が変更になっていると思われるものの、世帯単位の住民票にはその旨の記載が一切見当たりません。
そこで、個人票を取得したところ、変更の前後の住所が記載されており、備考欄には「平成○年○月○日 職権により」との記載がありました。これにより、住所変更の履歴を確認することができました。
世帯単位の住民票では、「住定年月日」欄にも、最初にその場所に住所を置いた年月日が記載されているだけであり、住所が変わったことがわかるような痕跡は一切ありません。
このようなときでも、個人票を取ってみることにより、いつ住所が変更になっているのかの履歴が分かるわけです。
3.錯誤による所有権登記名義人住所更正
本件では、土地の分筆により住所が変更になったのだと思われますが、上記のとおり住民票(個人票)には、「平成○年○月○日 職権により」と記載されているのみです。
下記の質疑応答によれば、住民票に「年月日土地の表示変更により地番修正」となっているときは、「年月日地番変更」により登記名義人表示変更の登記をするとされているものの、本件の場合に当てはまるかは疑問です。
さらに、分筆の年月日から、職権により住所が変わった年月日までの間に、1年以上の時間が経過しています。
そこで、法務局に事前相談をしたところ、結果は私の考えどおり「錯誤による所有権登記名義人住所更正」をすべきとの回答でした。
このくらいのことで事前相談すべきかも悩みましたが、補正になって法務局に手間をかけるよりは、事前相談した方がよいとの判断もあり得ますし難しいところです。
ただ、今回のケースでは、全く同じようなパターンの経験がない限りは、判断がつかない事例であったとは思います。
問 土地の分筆の登記により登記名義人の住所の地番が変更になった場合にする登記名義人の表示変更登記の申請書に添付された住民票の記載が、「年月日土地の表示変更により地番修正」となっているときは、登記原因の記載は、
1 年月日土地の表示変更
2 年月日地番変更
3 錯誤を原因とし、登記の目的は更正登記とする、のいずれでしょうか。
答 2によるのが適当と考えます。