遺言書を作成することが相続税対策に繋がるようになるかもしれないという記事です(2015年7月8日付け、サンケイビズ)。
政府、相続税に「遺言控除」検討 資産移転を円滑化、在宅介護の促進後押し
政府・与党は、有効な遺言による相続であることを条件に、一定額を相続税の基礎控除額に上乗せして控除する「遺言控除」を新設する検討に入る。
2015年1月から相続税の基礎控除額が引き下げられ、3,000万円+法定相続人1人当たり600万円となっています。
たとえば、法定相続人が3人ならば基礎控除額は4,800万円(3,000万円+3×600万円)です。つまり、遺産総額が4,800万円を超える場合には、相続税がかかる可能性があるわけです。
遺言控除の制度ができたとすると、「有効な遺言による相続であることを条件に、一定額が相続税の基礎控除額に上乗せされる」というのです。
遺言控除が新設されると税金のかからない遺産が増える。制度設計は今後詰めるが、控除額は数百万円を軸に検討する。仮に300万円の遺言控除であれば30万~165万円の減税となる計算だ。
上記は記事の引用ですが、遺言控除による控除額が300万円であれば、相続税が30万~165万円の減税になるとのことです。遺産総額から遺言控除により300万円を差し引けるので、相続税の税率が10%の場合には、300万円×10%で30万円の減税というわけです。
「早ければ2017年度税制改正での実施を目指す」とのことであり実現されるのかは不明ですが、今のうちに遺言を書いておくことが将来の相続税対策に繋がるかもしれません。