すでに亡くなられているご家族に宛てて、借金の支払いを請求する通知書、督促状などが届いたときにはどのように対応するべきでしょうか。
死亡しているご家族(被相続人)に債務がある場合、その相続人としては相続放棄の手続きをすることがまず考えられます。家庭裁判所で相続放棄の手続きをすれば、被相続人の債務を引き継ぐことはなくなります。
けれども、その借金がずっと昔のものであるようなときには、相続人から消滅時効の援用をすることも可能です。時効援用に成功すれば債務は消滅しますから、相続放棄をしなくとも解決に至るわけです。
借金の存在を知った時点で、それから相続放棄をすることが可能であるのか。また、相続放棄が可能である場合でも、相続放棄と時効援用のどちらを選択するべきなのか。
このページでは相続人よる時効援用(または相続放棄)について解説しますが、実際の判断をするのにあたっては、最初から専門家(弁護士、司法書士)に相談することをおすすめします。
千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)では、相続放棄、相続人による消滅時効援用のご相談を承っています。ご相談は予約制なので、ご相談予約・お問い合わせのページをご覧になって事前にご連絡くださいますようお願いいたします。
相続人による時効援用(または相続放棄)
1.相続人による消滅時効援用
2.時効援用後に相続放棄できるのか
3.相続放棄ができない場合
4.相続放棄、時効援用は高島司法書士事務所へ
5.消滅時効援用の関連情報
1.相続人による消滅時効援用
被相続人に債務がある場合、その債務の支払い義務は相続人に引き継がれることになります。相続人が複数いる場合には、その法定相続分に応じて、各相続人が債務の支払い義務を負担することになります。
しかしながら、最後の支払いのときから長い年月が経過し、消滅時効が成立している場合には、相続人によって時効の援用をすることができます。時効援用により債務は消滅するので、相続放棄をしなくとも解決に至るわけです。
相続人により消滅時効の援用をする場合、すべての債務を消滅させるためには、相続人の全員が時効援用をする必要があります。もしも、相続人の1人から時効援用をしたとしても、それによって消滅するのは時効援用をした相続人が承継している債務のみだからです。
また、相続人間の協議によって、相続人中の誰が債務を承継すると決定したとしても、それによって債務の支払い義務から逃れることはできません。よって、債務を承継している相続人の全員が、それぞれ時効援用をする必要があるわけです。
なお、相続人が複数いるときでも、他の相続人と連絡を取れない(連絡を取りたくない)場合などには、相続人中の一部の人のみが時効援用をすることもあります。そうすることで、自分自身が相続している債務についての支払い義務が消滅するわけです。
2.時効援用後に相続放棄できるのか
消滅時効が成立しているのが絶対に確実であるのならば、上記のとおり相続人の全員が時効援用すればそれで債務は消滅します。そのため、時効援用のみにより解決するのならば、相続放棄の手続きをする必要はないわけです。
しかし、時効援用に失敗した場合、その後に相続放棄をすることは認められない可能性もあるので注意が必要です。
時効援用をするということは、被相続人の権利義務を承継するのが前提であり、相続の法定単純承認事由である処分に当たるとも考えられるからです。そのため、相続放棄も可能である場合には、最初から相続放棄の申述をした方が確実だといえます。
ただし、相続放棄をしてしまえば、被相続人が有していた一切の財産を相続することができなくなります。たとえば、債務は存在するとしても、それを上回るだけのプラスの財産があるような場合などには、相続放棄が可能であったとしても時効援用を選択するのが通常でしょう。
そのような場合には、まずは債権者から取引履歴の開示を受けて、最終の取引時期を確認するなどして、消滅時効が成立しているかどうかを慎重に判断してから手続きをすべきときもあるでしょう。
3.相続放棄ができない場合
被相続人の債務について、相続人よる時効援用が可能であるかの判断が難しい場合であっても、そもそも相続放棄を選択する余地がないという場合もあります。
たとえば、被相続人が死亡し、自分自身が相続人となっているのを知った時から3ヶ月が経過しているときには、その後に相続放棄することは認められないのが原則です。
自己のために相続が開始したのを知った時から3ヶ月が経過している場合でも、その後に予期せぬ多額の債務が発覚したようなときには、そのときから3ヶ月以内であれば相続放棄が可能なこともあります。ただし、相続開始後に、遺産分割など相続財産の処分をしてしまっている場合には、後から多額の債務が発覚したときでも、それからの相続放棄は困難であるときも多いです。
被相続人の死亡から3ヶ月以上が経過した後に、昔の借金についての督促があったような場合、それからの相続放棄が可能であるかについては、相続放棄に詳しい専門家に相談するようにしてください。
また、相続放棄が可能である場合でも、後順位の相続人がいる場合には注意が必要です。たとえば、被相続人の子の全員が相続放棄をすることで、被相続人の直系尊属や兄弟姉妹(またはその代襲者)が相続人になってしまう場合です。
後順位者も全員相続放棄するのならば良いとしても、現時点で判明しているのは消滅時効が成立している可能性が極めて高い債務のみである場合に、そこまでする必要があるのかということが問題になるかもしれません。
4.相続放棄、時効援用は高島司法書士事務所(松戸市)へ
亡くなられたご家族に対する借金の請求があった場合の、消滅時効の援用や相続放棄については、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)にご相談ください。
認定司法書士である松戸市の高島司法書士事務所では、借金の消滅時効についてのご相談ご依頼を多数取り扱っています。また、当事務所では相続に関する手続きについての経験も豊富であり、家庭裁判所への相続放棄申立も多数おこなっています。
そのため、相続放棄と時効援用のどちらを選択すべきかのご相談に加え、実際に手続きをおこなう際にも安心してご依頼いただくことが可能です。
・相続放棄の解説(高島司法書士事務所)
※千葉県松戸市の高島司法書士事務所が運営する「相続放棄の相談室」ホームページもあります。
5.消滅時効援用の関連情報
・お問い合わせ・ご相談予約について
消滅時効の援用のことで、わからない点やご相談などございましたら、お電話またはお問合せフォームから、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)へお気軽にご連絡ください。
費用のこと、必要書類のこと、手続きにかかる期間のこと、どんなことでも結構です。消滅時効の援用のご相談はいつでも無料で承っております(無料相談は事務所にお越しいただくのが原則です)。
松戸駅徒歩1分の高島司法書士事務所(千葉県松戸市)ではすべてのご相談に、親切、丁寧なご対応を心がけています。安心してご相談にお越しください。
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