士業の事務所がSEO対策をするときは、まず、地域名(都道府県、市区町村)を加えたキーワード検索への対応をするべきだといわれます。たとえば、「税理士 松戸」、「松戸市 弁護士」のように検索された際に上位表示されるのが重要だというわけです。

もちろん、地域名を加えたキーワードでのSEO対策を完全否定するわけではなく、私自身もおこなっているのですが、そればかりに力を入れるのは得策ではないかもしれないというお話しです。

クリック数が多いキーワードは?

下のスクリーンショット画像は、Google Search Consoleの「検索アナリティクス」で、当事務所Webサイト(shihou-shoshi.com)の実際の画面です。検索アナリティクスでは、あるキーワードによる検索結果の表示回数、検索順位、そして、クリック数などを把握することができます。

サーチコンソール画面

一番多くクリックされているのは、「数次相続 遺産分割協議書」とのキーワードで検索された際に表示されたページで、表示回数225で86クリックされています。合計クリック数が8,711となっているので、クリック数が1番多いページでも全体の約1%だというわけです。

さらに、クリック数の2位は「不動産 贈与」、「土地 名義変更 贈与税」であり、どちらも86クリックです。これらの検索キーワードはとくにSEO対策をおこなって上位表示されているわけではありません。多数のページを作成していく中で勝手に上位表示されているだけです。

この結果からすると、狙ったキーワードでSEO対策をおこない上位表示されることで、ページへのアクセス数を増やすのは容易ではないといえます。多くのページを作っていく中で、偶然にもアクセス数の多いページが生まれているとのイメージでしょうか。

市区町村名が入っている検索キーワードのクリック数は?

さて、本題の地域名(都道府県、市区町村)を加えたキーワード検索の効果についてですが、クリック数上位の100位までに、松戸、松戸市などの市区町村名が入っているのは「松戸 司法書士」のみで、しかもクリック数は15に過ぎません。

松戸司法書士

合計クリック数が8,711のうち、「松戸 司法書士」はたったの15です。他には、松戸市も、千葉県も、その他の地域名も全く出てきません。それでも、地域名(都道府県、市区町村)を加えたキーワードでのSEO対策が重要だといえるのでしょうか?

ここからは私もよく分かっていないのですが、現在のGoogleでは地域名を入れずに検索しても、場所を考慮した検索結果が表示されるようになっています。たとえば、ただ単に「カフェ」と入力して検索しても近くにあるカフェが上位に表示されます。

したがって、松戸、松戸市などと入れなくても、松戸市に住んでいる人が検索すれば近くにある事務所が上位表示されるわけです。そうであれば、ページに地域名が全く入っていないのは問題だとしても、地域名を入れたSEO対策にこだわりすぎるのは意味がないようにも思います。

この辺りのことは、Google検索もまだまだ発展途上なのであり状況は変わっていくはずですが、いつまでも「司法書士 松戸」で上位表示されれば大丈夫との考えは危険かもしれません。まとまりのない話になってしまいましたが、士業のSEO対策については今後も書いていくつもりです。