同じようなテーマの投稿ばかりが続いてしまいますが、今回は債務整理関連のキーワードでの検索順位についてです。
今では債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)を取り扱う司法書士はあまり多くないでしょうから、司法書士事務所にとっては他人ごとだと感じる方も多いと思われます。
しかしながら、Googleの仕様変更などにより、SEOによる集客が壊滅状態になってしまったケースの一例として捉えると、その他の司法書士業務についてのネット集客でも近い将来に起こりえる話です。
1.債務整理相談の問合せが激減
2.「債務整理 松戸市」の検索順位
3.松戸市内の事務所の検索順位
4.債務整理の集客はもう無理なのか
5.もう一度、「債務整理 松戸市」で検索上位を
1.債務整理相談の問合せが激減
さて、近年はネット経由での当事務所への債務整理相談のお問合せは激減したままとなっています。
その最大の理由としては、「Google検索結果の上位に表示されるのが広告ばかりになった」ことが挙げられます。
さらに、Google広告を大量に出している法律事務所(弁護士法人)などが、テレビやラジオなどのCMもおこなっていることで、「ネット検索をするとテレビで聞いたような名前の事務所が出てくる」というような相乗効果もあるでしょう。
一般の方々の心理として、「テレビやラジオなどで名前を聞いたことがあるところなら安心だろう」というわけです。
そんな状況にあって、資金をかけられない零細司法書士事務所に出来ることとすれば、SEO対策に力を入れることによって「債務整理 松戸市」などの検索順位で上位を獲得することくらいでしょうか。
検索結果の中で、「広告」と表示されているページを選ぶことを好まない方もいるはずなので、広告以外のページの中で1位を取ることで何とか集客しようというわけです。
ただ、不適切な言い方になるかもしれませんが、債務整理の相談を必要とするような人の場合、「それが広告であるかどうかなど気にせず、たんに検索結果上位に表示されたところに問合せする」という傾向も強いかもしれません。
そうであれば、いくらSEOに力を入れても仕方ないわけですが、それでも、Google広告にかけられる予算が何桁も違うような状況にあっては他にやりようがありません。
2.「債務整理 松戸市」の検索順位
「債務整理 松戸市」のキーワードでGoogle検索すると、「松戸市の借金・債務整理に強い弁護士 – ○○○○法律相談」というようなタイトルの、企業が運営する弁護士検索のページが1位となっています。
ただ、上記検索結果の前に、法律事務所や司法書士事務所によるGoogle広告のページが4件あり、続いて、Googleマイビジネスの検索結果「お店やサービス」が表示されているため、通常の検索結果1位のページはかなり下の方になってしまっています。
この「お店やサービス」については、Googleにより次のように説明されています。
広告ではないのは良いとして、当事務所にとって問題なのは、この検索結果から司法書士が除外されていること。たぶん、Googleでは債務整理を適法に取り扱えるのは弁護士のみであると判断し、認定司法書士の存在は無視されているのだと思われます。
今は債務整理業務の取扱いが少ないのであまり影響はありませんし、司法書士個人でGoogleに申し入れなどしても簡単に何とかなる話ではないでしょうが、Googleにすべてを牛耳られているような現在の状況は恐ろしい限りです。
3.松戸市内の事務所の検索順位
先にも書いたとおり、「債務整理 松戸市」の検索結果は、最初にGoogle広告が4件、Googleマイビジネス(お店やサービス)が3件が表示された後、ようやく通常の検索結果1位のページが表示されることになります。
そのため、6位の当事務所による「債務整理の相談室」のページなど下の方に埋もれてしまっていますから、債務整理のお問合せが激減しているのも当然です。
それならば、SEO対策を頑張ることで1位になればお問合せが増えるかといえば、ここまで書いたとおり、たとえ1位になってもGoogle検索結果ページでは広告ばかりが上位に表示されるようになっているので、大幅にお問合せが増えることは期待できないでしょう。
さらに言えば、「債務整理 松戸市」で、当事務所によるページは6位の他、7位にも「債務整理(民事再生、自己破産)」のページが入っています。
しかしながら、当事務所以外では松戸市内の法律事務所によるページが3位に入っているものの、その他はすべて企業による弁護士検索サイトなどばかりです。
松戸市内の法律事務所(弁護士法人)で、債務整理関連のキーワードについてのSEOに現在も力を入れているところがどれほどあるかは分かりません。
それでも、以前は松戸市内の法律事務所(弁護士法人)によるページが検索10位以内に複数入っていたはずであり、それらのページは弁護士検索サイトなどが上がってきたことにより2ページ目以降に追いやられてしまっているわけです。
そのような状況にあって、当事務所によるページが2つも入っているのはすでに上出来だともいえるわけで、ここから更なる上位を目指していくのは厳しそうです。
4.債務整理の集客はもう無理なのか
これからもインターネット経由での債務整理の集客をおこなうには、Google広告などのPPC広告を利用するのが第一の選択肢なのでしょう。しっかりと管理をすれば、広告費が売上を上回ってしまうようなことは避けられるはずです。
けれども、多額の広告費をかけ、それを上回る売上を得るというようなやり方を、個人事務所がおこなうのは非常に大変でしょう。本気でやろうとするならば、競合するのは大手の弁護士法人などとなります。
結局、いくら考えてもそのような結論に辿り着くわけであり、今から債務整理についてのネット集客をするのは大変なことです。
次の選択肢としては、弁護士などの検索サイトに登録することも考えられます。現在、「債務整理 松戸市」で1位のページ「松戸市の借金・債務整理に強い弁護士 – ○○○○法律相談」を見てみると、会員登録している弁護士も複数存在するようです(無料会員なのか、有料会員なのかは不明ですが)。
ただし、このサイトが現在1位にいるからといって今後どうなるかは分かりませんし、現時点でもどの程度集客できているのかも含めて不明点が多いです。とりあえず登録しているという手もありますが、よさそうなところを1つ選んで登録すれば、それで今後の債務整理の集客はOKということにはならないでしょう。
そもそものお話しとして、上記のサイトに登録できるのは弁護士のみであり、司法書士が利用できるところは限られるので、さらに難しい状況であるわけですが。
5.もう一度、「債務整理 松戸市」で検索上位を
先ほども書いたとおり、当事務所の売上のうち債務整理業務占める比率はごく僅かです。そのため、債務整理相談のお問合せが激減しても、経営上はとくに問題はないのですが、同じようなことが債務整理以外の業務でもおこったらどうでしょうか。
たとえば、相続登記などの不動産登記業務については、すぐにそのような状況になる可能性は低いでしょうが、もしも近い将来に債務整理と同じような状況になったとしたら、ネット経由での集客により司法書士事務所が営業をしていくのはほとんど不可能になります。
そこで、債務整理だけに限定せず、「かつては依頼が多かったのに、最近は問合せが減っている業務」についての集客をもう一度頑張ってみようと思います。
1度減ってしまったのを盛り返すことができたならば、いつか来るかもしれない、「不動産登記業務についてのお問合せも激減するとき」への備えになるでしょう。
いろいろ書いてきましたが、現時点でできることは、SEO対策により「債務整理 松戸市」などのキーワードで再び上位を狙っていくことくらいなのですが。
そして、根本的な問題として、ネット経由での債務整理業務の集客が難しくなっているのは「当事務所だけに限定された事実だという可能性」もあります。正しい情報はどこにあるのかも含め、ネットによる集客は難しいです。