現在、「相続登記」のキーワードで検索すると、「相続登記の手続きを自分一人で行うことができる完全ガイド」とのタイトルのページが1位になっています。

このサイトには「相続税専門の税理士が監修する相続お役立ちサイト」との副題が付いており、税理士法人が集客のために作成しているものだと思われます。

このページを見たからといって、相続登記の手続きを自分一人で行うことができるとは到底思えませんが、司法書士事務所ではなく税理士によるサイトが相続登記のキーワードで1位になるということに脅威を覚えました。

この税理士法人には多数の支店があり大勢の税理士が所属しています。サイトの記述によれば「グループ総勢で100名以上、相続税専門のスタッフが在籍」しているとのことです。

これだけの規模の税理士法人であれば、広告宣伝にも多額の費用をかけることが可能であるはずです。相続専門というからには、個人からの依頼を数多く受ける必要があるでしょうから、インターネットを活用しての集客にも力を入れているに違いありません。

その1つが、最初に挙げた「相続税専門の税理士が監修する相続お役立ちサイト」であり、その中の「相続登記の手続きを自分一人で行うことができる完全ガイド」が、相続登記の検索順位で1位になっているのです。

このページを書いているのは、実際に相続登記の手続きを手がけている専門家(司法書士)では無いはずです。ウェブサイト作成の専門スタッフが大量のコンテンツを投下することにより検索順位の上位を獲得しているのでしょう。

そして、このようなサイトを作成するのは、税理士法人への相続税の相談依頼を受けることが目的です。つまり、相続登記で1位になることはそれほど重要でないはずなのに、多数のコンテンツを作成していく中で結果的に1位を獲得したということでしょう。

多くの司法書士事務所が、「相続登記」のような司法書士業務に関するキーワードでの上位表示を狙っているというのに、税理士法人が作った集客のためのサイトに負けてしまっているわけです。

この税理士法人に負けないような規模の、相続を専門とする司法書士法人はまず存在しないでしょうから、SEO対策の観点からすれば太刀打ちするのは困難です。大きな企業と、個人商店が争っているようなものでしょう。

当事務所の相続登記のページは何とか16位に位置しておりますが、個人が作っているサイトが更なる上位を狙うのは難しいように思います。

士業のネットによる集客やSEO対策は今後さらに競争が激化していくことでしょう。現在はそれなりに集客できていますし、何とかこの状況を維持していきたいものですが、とにかく油断は禁物です。