1月8日からの1ヶ月間の予定だった緊急事態宣言が3月7日まで延長されることとなりました。
そのことと直接的に関係するわけではないでしょうが、1月半ばから増加傾向だった新規お問い合わせが、2月に入ってからぱったりと止まったような感じです。全くお問い合わせが入らないということではなく、来週のご予約が少しずつ入ったりはしているものの、今日明日は来客予定が全くない状況です(その代わり、土曜日のご相談予約はあるのですが)。
これまで20年近くもの間、ネット集客により司法書士事務所を維持してきましたが、新規お問い合わせが突然ストップすることは度々ありました。いよいよネット集客ではもう限界かと思うことも何度かあったものの、いつの間にか再び忙しくなることを繰り返して今に至るわけですが、コロナ禍という未知の状況下においては過去の経験があてになるとは限りません。
そんなわけで、とくに急ぎの仕事もなくなってしまったので、「2021年も士業のネットによる集客は可能なのか」をテーマに思うことを少し書いてみようと思います。
なお、私が主におこなっているのは、SEOに力を入れることでウェブサイトへの流入を増やし、集客に繋げようというものです。Google AdSenseなどのPPC広告によれば、SEOなどによりGoogle検索順位を上げる努力をしなくとも集客は可能だと思われますが、そちらの方面には全く詳しくありません。いつか研究し、本格的に導入する必要が出てくるかもしれませんが、当面はSEO中心で頑張っていくつもりです。
さて、2021年の現在も士業のネット集客が可能かについて、司法書士である当事務所に関していえば、現時点では急激な環境の変化などを感じることはなく十分な集客は可能だと思われます。ただし、Google検索経由での集客をしようとする場合には、検索順位の上下動による影響を大きく受けることになり、当事務所運営サイトへのアクセス数も週ごとにかなり変動があるような状況となっています。
アクセス数に変動があるといっても、1日のユーザー数が2,000位はあったのが、せいぜい1,500程度に減ってしまうというような変動のことをいっているのであり、絶対数としてはそれなりのアクセス数が維持されているのが前提です。今もそのような状況にあるので、2021年に入った現在も、当事務所への新規お問い合わせはほぼ毎日最低1件は入っております。
もしも、ウェブサイト経由での新規お問い合わせがほとんど入らないというのであれば、まずはGoogle Analyticsなどにより、サイトへのアクセス数をしっかりと把握するべきでしょう。私が保有しているサイトでも、更新に力を入れていないものについては、1日のアクセス数がごくわずかなものもあり、そのようなサイトから新規お問い合わせが来ることはまずありません。
大ざっぱなイメージとしては、1日のユーザー数が少なくとも500を超える位になれば、新規お問い合わせがそれなりに入るのではないかと思います。数字に関しては検証したわけではありませんから、本当に大ざっぱなイメージですが。でも、力を入れて作成したサイトであれば、それ位のユーザー数はあるはずです。
もちろん、それだけのユーザー数があるサイトを作ることは、ネット集客の初心者にとっては難しいことだと思いますが、それが出来なければ、Google検索経由でのネット集客は難しいと思われます。それだけのユーザー数を確保した上でそれでも新規お問い合わせがないとすれば、その時点ではじめて、サイトデザインの改善やコンテンツの充実などに取り組む必要があるでしょう。
ご参考までに、当事務所が運営する「相続放棄の相談室」へのアクセス数は、下記スクリーンショット画面のとおりです。最近はあまり更新もしておらず中途半端なままとなっていますが、この程度のサイトでは1日に200位のユーザー数しかないわけです。
もっとページ数が少なく、アクセスの絶対数も少ないサイトであっても、優れたデザインとコンテンツがあれば着実に集客することも可能なのかもしれません。しかし、SEOにより検索順位を上げようとするならばある程度のページ数は絶対的に必要なのであり、少ないページ数で集客しようとする方がかえって難易度が高くなると思います。
つまり、少数の良質なページによって順位を上げて集客しようとするよりも、初心者ならばひたすらブログ記事などを量産することに努力する方がよっぽど簡単だということです。1年間毎日、真面目に記事を書き続ければきっと順位は上がります。ほとんどの人はそれが出来ないから、順位も上がらないのです。
ちなみに、上記の相続放棄の相談室は、「松戸 相続放棄」で検索すると現在1位に表示されます。それでも、このサイトへのアクセス数は大したことありませんし、お問い合わせもごく僅かしか来ないのが実情です。
ところで、今回の投稿を鵜呑みにするならば、「アクセス数が増えさえすればお問い合わせも絶対増える」という結論になりそうですが、そんな単純なお話しではもちろんありません。アクセスを集めたとしても、サイトのデザインや内容が重要であるのは当然です。サイトデザインについてはWordPressで簡単に管理できるものでも、それなりの見栄えのものが多く出回っていますから、まあ何とかなるかと思いますので、後は、サイトを訪問した方がここに相談したいと思うようなページ作りに注力する必要があるでしょう。
たとえば、司法書士の自己紹介のページに「司法書士試験に昨年合格し、実務未経験のまま今年開業しましたが、若さと気合いでは他の司法書士に負けないのでぜひご依頼ください」と書いたとして、それを見た人が依頼したいと思うでしょうか。経歴などに嘘を書くのはもちろん絶対に駄目ですが、上記のようなアピールは完全に的外れであるはずです。
ちょっと極端すぎる例になってしまいましたが、他の司法書士や士業による事務所のウェブサイトを見ていると、それに近いようなものを見かけることがあります。ただし、実際に経験が少ないとすれば、それはどうしようもないことです。私が独立開業したのは、30代前半のときで、実務経験も1年しかありませんでした。しかし、当時はホームページを持つ司法書士がほとんどいなかったので、ネットによる集客が可能だったのです。
その頃と現在とでは全く状況が違いますから、新規開業者がネットにより集客をしようとするのは、かなり難しくなっているものと思われます。少なくとも、ネットからの集客には1年や2年かかることを前提に事業計画を立てておかないと、早いうちに行き詰まってしまう可能性も高いでしょう(ただ、1,2年頑張れば必ずうまく行くとも限らないのがネット集客の難しいところです)。
早く結果を出そうとするならば、Google AdSenseなどのPPC広告を利用することも考えられますが、相当うまくやらないと広告費ばかりかかって結果が出ない可能性も高いでしょう。私もAdSenseの設定を適当にしておいたら、短期間のうちに何万円もの広告費がかかてしまい焦ったことがあります。
随分と長くなってしまった上に、悲観的なことばかり書いてしまいましたが、この記事を書いている間もやはりお問い合わせの電話は鳴りませんでした。コロナ禍のせいなのか、それともお問い合わせが入らないのは当事務所だけなのかは分かりませんが、ネット集客は心を強く保ってやり続けるしかありません。私も、来週からまた頑張りたいと思います。