司法書士や士業のSEO対策とは関係ありませんが、医療健康系ジャンルについてのGoogle検索順位が大きく変動したようです。Googleによるウェブマスター向け公式ブログに次のような記述があります。
医療や健康に関連する検索結果の改善について(2017年12月6日水曜日)
Google では、今週、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートしました。この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。本アップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響します。Google では、医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行きます。
「本アップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ60%に影響します」とありますが、実際にも検索順位が大きく変動しています。思いついた、医療・健康に関連するキーワードで検索してみても、医療機関のサイトや学術論文のようなページばかりが上位に表示されたりしています。
専門知識の無い素人が書いたページが表示されなくなるのは良いとして、一般人がみてもよく分からないようなページばかりが表示されたりしているのは、少なくとも現時点ではアルゴリズム変更が上手くいっているとは感じられません。
有名アフィリエイターの方も次のようにブログで書いています。
Googleが医療健康系ジャンルのアルゴリズム更新を行う
信頼性が低いサイトの順位が下落しているとのことですが、アフィリエイトサイトは問答無用で軒並み順位を落としている印象です。医師が監修していたり、薬剤師が書いているサイトでも関係なく順位が下げられています。
Googleからのアナウンスでは、「医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります」とあるものの、「より信頼性が高く有益な情報」であるかは関係なく、「医療従事者や専門家、医療機関等から提供される」ページがただ上位に来ているわけです。
司法書士や士業の検索結果への影響は?
先ほど引用した、Googleウェブマスター向け公式ブログの記事には「Googleでは、医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行きます」との記述があります。
そうであれば、医療や健康だけで無く、司法書士・士業や法律に関連する検索結果が大変動することもあり得るわけです。そうなった場合、専門家である司法書士や士業事務所が運営するウェブサイトの検索順位が上昇するはずですから、司法書士事務所ウェブサイトの運営者としては歓迎すべきことになるのでしょうか。
現在は、法律関連の用語での検索結果でも、アフィリエイトサイトのようなページが上位に表示されるようになっています。
たとえば、「相続放棄」で検索すると1位は裁判所のページであるものの、専門家のサイトと言えるのは7位の司法書士事務所のページが最高位です。そして、上位に位置するのは『相続放棄の徹底ガイド』、『遺産相続弁護士相談広場』、『相続弁護士ナビ』というようなサイトのページです。
どれも上位表示させるためのSEO対策を最優先した、専門家(弁護士、司法書士)では無い人が書いた記事だと思われます。これは、今回のアップデートが実施されるまでの医療や健康に関連する検索結果と同じような状況です。
再度、Googleウェブマスター向け公式ブログの記事から引用します。
あなたが医療関係者で、一般のユーザーに向けたウェブでの情報発信に携わる機会がありましたら、コンテンツを作る際に、ぜひ、このような一般ユーザーの検索クエリや訪問も考慮に入れてください。
SEO対策の専門家でも無い「医療関係者」にまで、Googleの要求に沿ったSEOを考慮したコンテンツを作成することを求めているわけです。普通の医療関係者は、Googleウェブマスター向け公式ブログなんか読んでいないでしょうから関係ないと思いますが。
しかし、これを法律関連のサイトに置き換えて考えてみると、一般ユーザーの検索クエリや訪問を考慮に入れたコンテンツ作りをしていけば、司法書士・士業や法律に関連する検索結果についてのアルゴリズム変更がおこなわれたとき優位に立てるはずです。
ただ心配なのは、当事務所のような零細司法書士事務所によるウェブサイトを、Googleが「医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報」を提供しているようなものであると判断してくれるのかです。もしかすると、「法律専門家のウェブサイト」と同一ドメイン上に、このようなSEOブログがあるのは望ましくないのかもしれません。
現時点では、司法書士・士業や法律に関連する検索結果が変更されることがあるのかすらも分からないので、あまり考えても仕方ないとは思います。けれども、医療健康系ジャンルのアフィリエイトで食べてきた人の中には、今頃大変なことになっている人もいるかも知れません。
検索結果をGoogleが支配している現在では、1つのやり方だけに集中してしまうのは危険だというのを強く感じた今回の出来事でした。