高島司法書士事務所(千葉県松戸市)では複数のブログを運用しており、このブログは司法書士による日記やコラムなどを投稿するために開設したものです。メインブログ(公式ブログ)は、司法書士高島一寛のブログですので、司法書士業務等についての記事はそちらをご覧ください。
士業の新規開業者がこれからネット集客できるのか
X(旧Twitter)で司法書士や弁護士などが書いているのを見ると、司法書士などの新規開業者がネットによる集客で事務所経営をするのはほとんど不可能であるように感じます。
私が書いているSEOブログなどをお読み下さった方にとっては、同じような話ばかりになるでしょうが、20年以上にわたってネット集客により司法書士事務所を維持してきた私が、現時点での考えなどを書いてみたいと思います。
司法書士松戸市で上位表示されることの難易度
まず、司法書士事務所が新たにウェブサイトを開設し、自力でおこなうSEO対策により検索上位表示を果たすのは極めて困難です。
かつては、ウェブサイトを解説する際には、同時にブログも設置し、1000文字くらいの記事を100件くらい投稿すれば、上位表示されるのは容易だといわれていました。
100記事を書くというのはなかなか大変なことですから、毎日記事を書き続けることができず挫折したというケースも多かったはずですが、それを続ければかなりの確率で上位表示に成功することができた時代もあったわけです。
ところが、今ではブログを100記事書いたくらいで上位表示されるの可能性は極めて低いです。
当ウェブサイトには、メインブログの記事だけで100を超えていますし、ブログ以外にも多数のページがありますが、上位表示されるどころか、「司法書士 松戸市」のキーワードで7位に下落しています。
たとえば、新たに松戸市でウェブサイトを開設する司法書士事務所が、当事務所サイトよりも大量かつ良質のコンテンツを提供できるならば、もっと上位表示されることも可能かもしれませんが、そう簡単なことではないでしょう。
「司法書士 松戸市」で7位に入るのも難しいとして、それ以下の順位であったとすれば、SEOによる集客をこれからおこなうのは、ほとんど不可能だという結論になります。
地域を選べば上位表示は可能か
このことはもちろん開業地にもよるわけであり、たとえば、事務所所在地である「松戸市」を含めた検索ワードでは順位下落に苦しんでいる当事務所ウェブサイトも、隣町である千葉県流山市においては、たとえば、「相続登記 流山市」で現在2位と上位を獲得しています。
当事務所では、ひたすら「松戸市」を入れたキーワードでのSEOをしていますが、流山市についてはたまに「流山市で相続登記の相談をするなら」というような記事を書いているだけなのに、それで上位表示されるわけです。
極端な話、司法書士がゼロの地域で開業してウェブサイトを開設すればすぐに1位になるでしょうが、そもそもの見込み顧客がどれほどいるのかという問題もあります。
松戸市の人口約50万人に対して流山市が約21万人という違いの他に、法務局がある松戸市の方が圧倒的に司法書士数が多いなど様々な要素があるので、開業地をどこにすれば簡単にウェブによる集客ができるかは予測しづらいところでもあります。
たとえば、Google検索で上位表示されやすいからといって、松戸市ではなく流山市で司法書士事務所を開業した方がネット集客に成功しやすいかは何ともいえません。やはり、一般論としては、人口が多く、法務局の所在する松戸市で開業した方が集客しやすい可能性は高いとも考えられます。
その上で、SEOの対象として、流山市を含めたキーワードについての対策をおこなうことも集客に役立つかもしれないわけです。
上位表示されれば集客できるのか
視点を変えてみると、流山市の不動産の相続登記をしたい場合に、「流山市の司法書士」限定で司法書士事務所を探す人がどれだけいるかという問題もあります。現実には、検索しても流山市の司法書士事務所はあまり出てきません。
また検索していく過程で、流山市の不動産の相続登記は松戸市の法務局で手続きすることを知るかもしれません。その場合、より選択肢の多い松戸市の司法書士を探して相談に行く方も多いでしょう。
さらにいえば、ここで私が書いているようなことが、松戸市や流山市以外の場所でも同じであるかは分かりませんし、現在のネット集客は偶然による要素も非常に大きく、再現性は極めて低いと考えられます。
このことは、SEOによる集客に実績があるというホームページ制作会社などに依頼したとしても、あまり結果は変わらないでしょう。いくらでもお金をかけられるなら別として、個人で開業する司法書士事務所ができることはありません。
あいまいな予測にもとづいて事務所開業地を決定し、大金を払ってウェブサイトを開設して、そこでSEO対策による集客をおこなおうとするのは、あまりにもリスクの高い行為です。
よって、現在ではウェブサイトのSEOによる集客を柱にして司法書士事務所を開業しようとする計画は無謀すぎます。他の集客方法をメインに考えつつ、予備的にウェブサイトのSEOにも取り組んでいくくらいのスタンスで考えるべきでしょう。
SEO以外のネット集客
司法書士がSEO以外でネット集客をしようとする場合、Yahoo!広告、Google広告などのリスティング広告の利用が考えられます。これらの有料広告を利用すれば、優先的に検索結果上位に表示されますから、SEO対策などせずにネット集客が可能となります。
問題はこれらのリスティング広告は運用が難しく、うまくやらないと高額な費用がかかるだけで集客につながらない可能性も高いこと。自分でできなければ、業者に頼んで運用することもできますが、知識のない新規開業者が利用するのはなかなか難しいと思われます。
それ以外のネット集客としては、X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなどによって自分の知名度を上げ集客に繋げるということも考えられますが、私としてはSEOよりもさらに難易度が高いように感じます。
弁護士の中には、X(旧Twitter)で有名になることで顧客獲得に成功にしている例もありそうですが、司法書士の場合には少しくらい目立ってもそれが事務所の集客につながるとはあまり思えません。
SNSで知った司法書士が良さそうだからいって、実際の相談につながるケースがどれほどあるかということです。それより、実名で目立つことによるリスクの方が高そうです。
ネット以外による集客
ネットよる集客が難しいとすれば、それ以外の方法も検討するしかありませんが、それはもうネット以前の集客方法であることになります。
つまり、ポスティング、タウンページ、看板、郵便局の封筒、駅や電車内の広告、飛び込み営業、知人などからの紹介、異業種交流会への参加などなど、従来型の営業活動です。そんなことをするくらいなら、ネット集客で頑張りたいという方もいるでしょうが、なんにせよ1つの集客方法に賭けるのは危険すぎるということです。
後は、繁華街などの目立つ場所に事務所を構えるも有効だと思います。不動産業や、保険販売の会社などがやっているなような感じで、入りやすい事務所を出すわけです。場所によっては家賃等がかなり高額になるでしょうが、効果は絶大だと予想します(あくまでも個人的な予想であり、場所によってもかなり違いが出るでしょうけど)。
ただ、予約なしでの相談を受け入れるとすると日々のストレスはかなりのものだと思います。そもそも、司法書士1人では運営が困難でしょうし、かなりの覚悟と度胸がないと難しいやり方であるはずです。
もう1つの問題は、誰でも事務所に入ってこられるとすると、悪意を持って近づいてくる人への対処が難しいこと。ネット集客の場合もリスクはありますが、事前予約制を徹底することに加え、事前の電話やメールのやり取りがあることで、ある程度の危険は事前に回避できます。
司法書士の場合には集客できればそれで成功というわけではなく、1度でも犯罪などに巻き込まれたら取り返しの付かないダメージを負う可能性だってありますから、どのように事務所を運営していくかは慎重に判断すべきです。
結局、今からでも確実に成功できる集客方法など存在しないわけですが、やる気があれば不動産業者や銀行への飛び込み営業だってできますし、それで成功している人もいるはずです。
思いつくままに書いてみましたが、あくまでもすべて私個人の考えです。どこまで信じるかは、各自が自分自身の責任においてご判断ください。
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