子連れでの再婚の場合
子連れの再婚

上の図では、妻が子Aを連れて再婚しています。この場合、夫と子Aの間に親子関係は無く、夫から見た子Aは配偶者の子であるに過ぎません。したがって、子Aは夫の相続人とはなりません。

この場合に、夫と子Aの間に親子関係を生じさせるためには、夫と子Aが養子縁組をすることが必要です。養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得します(民法809条)。そのため、実子と同様の相続権を持つことになります。

子連れ同士の再婚の場合

子連れ同士の再婚の場合、夫婦ともに互いの連れ子と養子縁組しておかないと、遺産相続の際に不公平が生じることがあります。

子連れ同士の再婚の場合

上図のケースで、再婚の時から間もなくして、夫が亡くなったとします。この場合、夫と子Aとが養子縁組をしていなかったとすれば、子Aは、夫(継父)の相続人となりません。よって、相続人になるのは妻と子Bの2人のみであり、それぞれの相続分は2分の1ずつですから、夫の財産を妻と子Bが2分の1ずつ相続できることになります。つまり、下図の「第1次相続」の状態になるわけです。

子連れ同士の再婚の場合

その後、妻が亡くなったときにも、妻と子Bが養子縁組をしていなければ、子Aが単独で相続人となります。つまり、期間を空けずに夫婦が亡くなったとすれば、子Bは夫の財産の2分の1のみを遺産相続するのに対し、子Aは継父の財産の2分の1と、実母の財産の全てを相続できるのと同じような結果になります。

さらに、第1次相続のときに、妻と子Bによる遺産分割協議で「妻が遺産のすべてを相続する」としていたとすれば、最終的に子Bは財産をまったく相続できないという結果になってしまいます。もちろん、父母の亡くなる順序や、遺産分割の内容によっては、子Bの相続する遺産が圧倒的に多くなるということもあり得ますが、いずれにせよ不満の残る相続となる可能性が高いでしょう。

そこで、父母が結婚(再婚)するときに、互いの連れ子と養子縁組をしておけば、子A、子Bが父母の遺産に対して持つ権利は同じになります。相続において、実子と養子の相続分は同等だからです。本件のようなケースで、夫と、妻の連れ子のみが養子縁組をしていることもあるようです。この場合、夫が亡くなったときには妻と子ABの3人が相続人になるのに、妻が亡くなったときには子Aのみが単独相続人となってしまいますから、さらに不公平な結果となります。やはり、子連れ同士の男女が結婚する場合には、互いの子と養子縁組をしておくのが間違いないといえるでしょう。


司法書士高島一寛

千葉司法書士会 登録番号第845号

簡裁訴訟代理関係業務 認定番号第104095号

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(略歴)
・1989年 千葉県立小金高等学校卒業
・1993年 立教大学社会学部卒業
・2000年 司法書士試験合格
・2002年 松戸市で司法書士高島一寛事務所を開設

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松戸市の高島司法書士事務所は2002年2月の事務所開業から20年以上の長期にわたり、ホームページやブログからお問い合わせくださった個人のお客様からのご相談を多数うけたまわってまいりました。

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