相続放棄をする際には、相続放棄申述書に加えて下記の添付書類が必要となります。相続放棄する方と、被相続人との関係により必要書類が異なりますが、第2順位、第3順位の相続人が相続放棄する際には数多くの戸籍等が必要になることがあります。司法書士に相続放棄の手続きをご依頼いただく場合、必要書類の収集もすべておまかせいただけますので当事務所へご相談ください(相続放棄のページはこちら)。
(注意事項)
下記の解説にはすべて戸籍と書いていますが、「戸籍謄本」のほか、「除籍謄本」、「改製原戸籍謄本」の場合もあります。また、戸籍がコンピュータ化されている市区町村の場合、戸籍謄本ではなく「戸籍全部事項証明書」が発行されます。
表題がどうなっているかにかかわらず、下記に解説する戸籍の謄本(または、全部事項証明書)をお取りください。抄本(または、個人事項証明書)では駄目です。
同じ書類は1通のみで足ります。たとえば、「被相続人の死亡の記載のある戸籍」と、「被相続人の配偶者の戸籍」とは同一の戸籍ですから、別々に用意する必要は無いということです。また、他の相続人が提出済の戸籍は、後から申立てる際に再度提出する必要はありません。
下記の書類があれば申立ては可能ですが、裁判所での受付後に追加書類の提出を求められることがあります。その場合は、その指示にしたがってください。
1.被相続人の配偶者が相続放棄するとき
(1) 被相続人の住民票の除票(または、戸籍の附票)
(2) 戸籍(被相続人の死亡の記載のあるもの)
上記の戸籍は、被相続人の配偶者の戸籍と同一です。したがって、被相続人の配偶者が相続放棄をするときには、夫婦の戸籍が1通あればよいことになります。
2.被相続人の子が相続放棄するとき
(1) 被相続人の住民票の除票(または、戸籍の附票)
(2) 被相続人の戸籍(死亡の記載のあるもの)
(3) 放棄する方の現在の戸籍(3か月以内のもの)
相続人が未婚であるときは、父母と同一の戸籍に入っているのが通常です。この場合、被相続人の戸籍1通があればよいことになります。
3.被相続人の直系尊属(父母、祖父母)が相続放棄するとき
先順位の相続人がいる場合には、その全員が相続放棄した後でなければ、申立てをすることはできません。そのため、先順位者すべての存在が判明するだけの戸籍が必要となります。被相続人の直系尊属(父母、祖父母)が相続放棄できるのは、被相続人に子がいない(または、全員が放棄した)場合ですから、子の全員を明らかにするため、被相続人の出生から死亡時までのすべての戸籍が必要となるわけです。
(1) 被相続人の住民票の除票(または、戸籍の附票)
(2) 被相続人の出生から死亡時までのすべての戸籍
(3) 放棄する方の現在の戸籍(3か月以内のもの)
4.被相続人の兄弟姉妹が相続放棄するとき
先順位の相続人がいる場合には、その全員が相続放棄した後でなければ、申立てをすることはできません。したがって、先順位者すべての存在が判明するだけの戸籍が必要となります。よって、被相続人の兄弟姉妹が相続放棄するときには、直系尊属が放棄する場合に必要な書類に加え、存命の直系尊属で放棄していない方がいないことを明らかにしなければならないわけです。
(1) 被相続人の住民票の除票(または、戸籍の附票)
(2) 被相続人の出生から死亡時までのすべての戸籍
(3) 被相続人の直系尊属(父母、祖父母)で死亡している方がいれば その方の死亡の記載のある戸籍
(4) 放棄する方の現在の戸籍(3か月以内のもの)
5.被相続人の子の代襲者(孫、ひ孫)が相続放棄するとき
被相続人の子の代襲者(孫、ひ孫)が相続放棄するときには、申述人が代襲相続人であることを明らかにするための戸籍などが必要です。
(1) 被相続人の住民票の除票(または、戸籍の附票)
(2) 被相続人の戸籍(死亡の記載のあるもの)
(3) 被代襲者の戸籍(死亡の記載のあるもの)
被代襲者(本来相続人となるはずだった方)の死亡の記載のある戸籍、および代襲者と被代襲者が一緒に載っていた当時の戸籍も必要です。
(4) 放棄する方の現在の戸籍(3か月以内のもの)
6.被相続人の兄弟姉妹の代襲者(おいめい)が相続放棄するとき
被相続人の兄弟姉妹の代襲者(おいめい)が相続放棄するときには、兄弟姉妹が放棄するときの必要書類に加えて、申述人が代襲相続人であることを明らかにするための戸籍などが必要です。
(1) 被相続人の住民票の除票(または、戸籍の附票)
(2) 被相続人の出生から死亡時までのすべての戸籍
(3) 被相続人の直系尊属(父母、祖父母)で死亡している方がいれば その方の死亡の記載のある戸籍
(4) 被代襲者の戸籍(死亡の記載のあるもの)
被代襲者(本来相続人となるはずだった方)の死亡の記載のある戸籍、および代襲者と被代襲者が一緒に載っていた当時の戸籍も必要です。
(5) 放棄する方の現在の戸籍(3か月以内のもの)