相続の限定承認について

被相続人の債務を引き継がないための方法として、相続放棄をする以外に、限定承認を選択することも考えられます。

限定承認とは、被相続人の債務がどの程度あるか不明であるが、財産が残る可能性もある場合などに、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐためにするものです。限定承認をすれば、相続債務が相続財産を超えている場合でも、その相続財産の範囲内で債権者への支払いをすれば済みます。

限定承認を選択するときは、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所へ限定承認の申述をします。この申述は、共同相続人全員で行わなければならず、一部の相続人だけが限定承認することはできません。

また、申述書とともに土地、建物、現預金などの内訳を記載した遺産目録も提出します。そして、限定承認の申述が受理されたら、限定承認者(または、家庭裁判所により選任された相続財産管理人)が、相続財産の清算手続をおこなっていくことになります。

つまり、限定承認をするには事前に相続財産の調査をする必要があり、裁判所への申立後には現実に相続財産の精算手続き(換価、弁済など)をしなければならないのであり、「遺産の内容が分からないからとりあえず限定承認しておく」というような理由で選択されるものではありません。

実際にも、限定承認は手続きが複雑なこともあり利用件数は多くありません。裁判所の統計によれば、平成23年には相続放棄の新受件数が166,463件だったのに対し、限定承認は889件に過ぎません。つまり、被相続人に債務があるときには、大多数の場合で相続放棄が選択されていることになります。


司法書士高島一寛

千葉司法書士会 登録番号第845号

簡裁訴訟代理関係業務 認定番号第104095号

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(略歴)
・1989年 千葉県立小金高等学校卒業
・1993年 立教大学社会学部卒業
・2000年 司法書士試験合格
・2002年 松戸市で司法書士高島一寛事務所を開設

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松戸市の高島司法書士事務所は2002年2月の事務所開業から20年以上の長期にわたり、ホームページやブログからお問い合わせくださった個人のお客様からのご相談を多数うけたまわってまいりました。

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