このページでは相続登記の必要書類について、必ず必要となる基本的な書類から、特殊なケースについての必要書類まで一覧形式で網羅的に解説をしています。一部の記載は司法書士高島の私見によるところもあり、また、法務局によって取扱いが異なる可能性もあります。記載に内容について当事務所では一切の責任を負いませんし、また、このページに書かれていることについてのご質問は受け付けておりません。実際に手続きをする際には管轄法務局に確認するか、司法書士に相談することをお勧めします。
また、ここで解説するのは、とくに注意書きのない場合「遺言書がない場合の相続登記」についてとなります。法的に有効な遺言書があり、遺言により誰に不動産を相続させるかの指定がある場合、被相続人についての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本は死亡の記載のあるもののみで足りるなど、遺産分割協議による相続登記とは必要書類が異なります(遺言による相続登記の必要書類)
相続登記は信頼できる専門家に依頼することをお勧めします。千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)の相続登記のページもぜひご覧ください。
相続登記の必要書類(一覧と解説)
1.被相続人(亡くなられた方)に関するもの
(1) 戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
(2) 住民票除票(または、戸籍の附票)
(3) 法定相続情報一覧図
2.相続人に関するもの
(1) 戸籍謄本
(2) 住民票(または、戸籍の附票)
(3) 印鑑証明書
(4) 法定相続情報一覧図
3.相続財産(不動産)に関するものなど
(1) 遺産分割協議書
(2) 相続関係説明図
(3) 登記済権利証(または、登記識別情報通知)
(4) 固定資産評価証明書(または、固定資産税の課税明細書)
(5) 委任状(代理権限証明情報)
4.その他の相続登記必要書類
(1) 除籍等の謄本を交付することができない旨の証明書
(2) 相続放棄申述受理証明書
(3) 署名証明(サイン証明)
(4) 特別代理人選任審判書
(5) 調停調書
(6) 相続欠格者であることを証する書面
(7) 外国籍の相続人がいるときの必要書類
(8) 不在住証明書
(9) 特別受益証明書(相続分がないことの証明書)
5.相続登記の必要書類(遺産分割協議による場合)
6.相続登記の必要書類(遺言による場合)
7.必要書類の取得の方法
8.相続登記の必要書類の原本還付
9.相続登記は松戸市の高島司法書士事務所へ
1.被相続人(亡くなられた方)に関するもの
(1) 戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
被相続人の出生の記載のある除籍(改製原戸籍)謄本から、死亡の記載のある戸籍謄本等に至るまでのすべてが必要です。
なお、現在の不動産登記の実務では、被相続人の13歳のときからの除籍(改製原戸籍)があれば、相続登記は受理されるのが通常です(下記の質疑応答では、15,16歳からとありますが、それでは足りないと思われます)。
相続人の身分を証する書面として、被相続人が15,16歳の時代からの事項の記載のある戸籍及び除籍謄本が必要(登研149)。
除籍または改正原戸籍の一部が滅失している場合については、後で解解しています(除籍等の謄本を交付することができない旨の証明書)。
(2) 住民票除票(または、戸籍の附票)
被相続人の亡くなられた旨の記載がある住民票除票(または戸籍の附票)です。住民票除票は本籍地を省略しないでください。被相続人の最後の住所と、登記されている住所とが異なる場合、そのつながりを証明する書類が必要です。住民票除票の前住所の記載では足りない場合、さらに前の住民票除票や除籍の附票などが必要となることもあります。
(3) 法定相続情報一覧図
法定相続情報一覧図がある場合、上記(1)戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)、(2)除住民票(または、戸籍の附票)の提出は原則として不要です。ただし、被相続人の最後の住所と、登記されている住所とが異なる場合、上記のように住所のつながりを証する必要があります。
2.相続人に関するもの
(1) 戸籍謄本
不動産を相続される方だけでなく、相続人全員の戸籍謄本が必要です。相続開始後(被相続人の死亡後)に取得したものでなければなりません。同じ戸籍に入っている方がいらっしゃる場合、別々に取る必要はありません。
(2) 住民票(または、戸籍の附票)
相続により不動産を取得する方のもののみで足ります。住民票は本籍地を省略しないでください。
(3) 印鑑証明書
相続登記においては、印鑑証明書の期限はとくに定められていません(預貯金の相続手続きでは印鑑証明書の期限は通常6ヶ月です)。相続人全員が遺産分割協議書に署名および実印で押印し印鑑証明書を添付します。
登記実務では、申請人(不動産を取得する相続人)の印鑑証明書は添付を省略できるものとされています。印鑑証明書を添付しないということは、認印でも差し支えないということです。ただし、相続登記は可能であるとしても、遺産分割協議の成立の申請を担保するためには、相続人全員が実印により押印し、印鑑証明書を添付するのが原則です。また、登記申請時には印鑑証明書の添付を省略できるとしても、単独で不動産を相続した申請人に限定されると考えるべきでしょう。
相続人A、B、Cの全員が不動産を特定して、これが物件をAが承継取得する旨の遺産分割協議書を作成し、B、Cは印鑑証明書付実印を押印しているが、Aは認印で印鑑証明書の添付がない場合でも、登記申請書に添付すべき遺産分割協議書とはなる(登研429)。
(4) 法定相続情報一覧図
法定相続情報一覧図がある場合、上記(1)戸籍謄本、(2)住民票(または、戸籍の附票)の提出は原則として不要です。ただし、住民票(または、戸籍の附票)を提出しなくてよいのは、法定相続情報一覧図に相続人の住所の記載がある場合のみとなります。
3.相続財産(不動産)に関するものなど
(1) 遺産分割協議書
相続人全員が署名し、実印により押印した遺産分割協議が必要です。また、相続人中に未成年者や成年被後見人などがいる場合は、家庭裁判所で特別代理人を選任してもらう必要があります。
相続登記に使用する遺産分割協議書では、同一内容の遺産分割協議書を相続人の人数分作成し、相続人それぞれが別々に署名押印したものでも差し支えありません。なお、金融機関での預貯金の相続手続きでも、個別に署名押印した遺産分割協議書では駄目だといわれたことはありませんが、事前に確認することをお勧めします。
同一内容の遺産分割協議書を数通作成し、それに各自が各別に署名捺印したものであっても、その全部の提出があるときは、遺産分割の協議書とみて差し支えない(登研170号)。
(2) 相続関係説明図
相続登記を申請する際に相続関係説明図を提出すれば、戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本についてはコピーの提出などをすることなく、登記完了後に原本の返却を受けることが出来ます。ただし、登記原因証明情報の一部として提供する、遺産分割協議書や被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)については原本還付の手続きが必要です(住所証明情報として提供する住民票も同様)。
相続による権利の移転の登記等における添付書面の原本の還付を請求する場合において、いわゆる相続関係説明図が提出されたときは、登記原因証明情報のうち、戸籍謄本又は抄本及び除籍謄本に限り、当該相続関係説明図をこれらの書面の謄本として取り扱って差し支えない(平成17年2月25日民二457)。
(3) 登記済権利証(または、登記識別情報通知)
相続登記の手続きでは登記済権利証の提出は通常不要です。けれども、相続登記をおこなうべき不動産に漏れがないか、登記済権利証(または、登記識別情報通知)により確認しています。また、被相続人の最後の住所と、登記されている住所とが異なる場合で、そのつながりを証明する書類が取得できないときに、被相続人の同一性を証する書面の一部として登記済証を提出することがあります。
(4) 固定資産評価証明書(または、固定資産税の課税明細書)
固定資産評価証明書は、不動産所在地の市町村役場(東京23区では都税事務所)で取れます。登記申請と同一年度のものが必要です。なお、現在では固定資産税の課税明細書を提出すれば、固定資産評価証明書の原本は不要である場合が多いと思われます。
法務省民事局民事第二課から日本司法書士連合会への令和2年12月8日付事務連絡に「不動産の申請に当たり、申請人が保有する固定資産課税明細書により固定資産課税台帳に登録された不動産の価格を確認することができる場合には、当該明細書を利用していただきますよう、ご協力をお願いします」との記載があります。
また、東京都主税局による案内にも「不動産登記の申請時には固定資産税・都市計画税課税明細書をご利用ください」、「東京23区は固定資産価格を法務局へ電子通知しているため、評価証明(有料)の添付は原則として不要です」とあります。
また、上記案内には「不動産登記申請は、課税明細書の写しを添付して行うことができます」との記載もあります。つまり、相続登記申請の際には、固定資産税の納税通知書とともに送られてくる課税明細書のコピーを添付すれば良いわけです。
ただし、上記案内の注意事項として、「4・5月に登記申請をおこなう場合は、課税証明書で新年度の価格が確認できないため、評価証明をご申請ください」、「その他、非課税が適用されているなど、評価証明が必要となる場合があります」というような記載があります。
固定資産税の納税通知書(松戸市の場合)
固定資産税の納税通知書は、不動産所在地の市町村から送られてきますが、通知書に記載されている表題や記載内容などは各市町村より多少異なります。
たとえば、千葉県松戸市の場合には「令和○年度 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)納税通知書(口座振替用)」というような表題になっています。また、固定資産課税明細書にあたるのは「課税資産の内訳(土地・家屋)」と書かれているページです。このページに書かれている「価格(円)」がその不動産の固定資産評価額となります。
(5) 委任状(代理権限証明情報)
委任による代理人が登記申請をする場合、委任状の添付が必要です。相続登記の申請の代理人となるのは司法書士(または弁護士)に限られます(司法書士に相続登記を依頼した場合、司法書士が作成した委任状に署名押印をいただきます)。司法書士に依頼せず相続人(申請人)自身が登記申請をする場合、代理人ではなく本人による登記申請ですから委任状は不要です。
4.その他の相続登記必要書類
(1) 除籍等の謄本を交付することができない旨の証明書
相続登記をするためには、被相続人の出生の記載のある除籍(改製原戸籍)謄本から、死亡の記載のある戸籍謄本等に至るまでのすべてが必要であるのが原則ですが、除籍または改正原戸籍の一部が滅失しているため、市町村から交付を受けられないことがあります。この場合、交付を受けられない部分について、市町村長による「除籍等の謄本を交付することができない」旨の証明書を提出することで相続登記が受理されます。
なお、かつては除籍等の一部が滅失していることにより、その謄本を提供することができないときは、戸籍及び残存する除籍等の謄本のほか、滅失等により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書及び「他に相続人はいない」旨の相続人全員による証明書(印鑑証明書添付)の提供を要する取扱とされていました(昭和44年3月3日付け民事甲第373号法務省民事局長回答)。
しかし、下記の法務省民事局長通達により取扱いが変更となり、他に相続人はいない旨の証明書や上申書などの作成、提出は不要となっています。なお、この取扱いは、除籍等が滅失している場合だけでなく、保存期間の経過により廃棄されてしまっていたり、戦災により焼失してしまっているときにも同様であり、それらを証する廃棄済証明書、焼失証明書(告知書)を提出すれば、相続登記は受理されることとなります。
除籍等が滅失している場合の相続登記について(平成28年3月11日付け法務省民二第219号法務省民事局長通達)
相続による所有権の移転登記(以下「相続登記」という。)の申請において、相続を証する市町村長が職務上作成した情報(不動産登記令別表の22の項添付情報欄)である除籍又は改正原戸籍(以下「除籍等」という。)の一部が滅失していることにより、その謄本を提供することができないときは、戸籍及び残存する除籍等の謄本に加え、除籍等(明治5年式戸籍(壬申戸籍)を除く。)の滅失等により、「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書が提供されていれば、相続登記を受理して差し支えない。
(2) 相続放棄申述受理証明書
相続人中に相続放棄をした人がいる場合に添付が必要となります。たとえば、配偶者と長男、長女が相続人であった場合で、長男が相続放棄しているときには、長男についての相続放棄申述受理証明書が相続登記の際の必要書類となります。このとき、長男、長女の2人とも相続放棄しているときには、後順位者(被相続人の兄弟姉妹など)が相続人となることがあるので要注意です。
現在では「相続放棄申述受理証明書」ではなく、「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会に対する家庭裁判所からの回答書」または「家庭裁判所からの相続放棄申述受理通知書」でも相続登記が可能となっています。しかしながら、相続放棄申述受理通知書などによる場合、「その内容が相続放棄申述受理証明書と同等の内容が記載されているものと認められるものであれば」とされています(詳しくは、相続放棄申述受理通知書による相続登記の可否を参照)。
相続の放棄があったことを証する情報として、「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会に対する家庭裁判所からの回答書」又は「家庭裁判所からの相続放棄申述受理通知書」が添付されているときは、その内容が相続放棄申述受理証明書と同等の内容が記載されているものと認められるものであれば、これらを登記原因を証する情報の一部として提供することができる(登研808号)。
(3) 署名証明(サイン証明)
遺産分割協議書へは、相続人全員が署名および実印による押印をし印鑑証明書を添付するのが原則です。しかし、海外に在住し、日本での住民登録を抹消して外国に住所を置いているときには、住民登録の抹消と同時に印鑑登録も抹消されてしまっているので、日本国内で印鑑証明書の交付を受けることはできません。
そこで、相続手続きにおいて印鑑証明書の提出が求められる場合に、海外に在留している日本人は印鑑証明に代わるものとして、署名証明(サイン証明)を利用することが出来ます。署名証明とは、海外在留で日本には住民登録をしていない方に対し、日本の印鑑証明に代わるものとして発給されるもので、申請者の署名(及び拇印)がたしかに領事の面前でなされたことを証明するものです(詳しくは、相続人中に海外在住者がいて印鑑証明書が取れない場合をご覧ください)。
相続登記の必要書類としては、遺産分割協議書、署名証明書(サイン証明書)の他、在留証明も用意します。また、戸籍謄本については、日本国内の本籍がある市町村で取得します。
(4) 特別代理人選任審判書
相続人中に未成年者や成年被後見人がいるときに、その未成年者(または、成年被後見人)のために、特別代理人の選任が必要となることがあります。たとえば、親権者と未成年者との間で利益が相反する(利益相反行為に当たる)場合などです。このような場合には、家庭裁判所へ特別代理人選任の申立をし、選任された特別代理人が本人の代わりに遺産分割協議書へ署名押印をします(使用する印鑑は特別代理人の実印)。相続登記の際には、家庭裁判所から交付された特別代理人選任審判書と、特別代理人の印鑑証明書が必要書類となります。手続きについて詳しくは、特別代理人の選任をご覧ください。
(5) 調停調書
遺産分割協議によるのでなく、遺産分割調停による相続登記をする際には、戸籍謄本等の添付は不要です。戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本の添付が不要だということは、相続関係説明図の添付も必要ないということになります。この遺産分割についての調停調書は正本でなく謄本でも差し支えありません。なお、登記原因証明情報としての戸籍等は不要でも、住所証明書の添付が必要なのは当然です。
相続登記未済の不動産につき遺産分割調停が成立し、その登記を申請する場合、戸籍書類の添付は要しない(昭和37年5月31日 民事甲1489)。
(6) 相続欠格者であることを証する書面
相続人中に相続欠格者がいる場合、その相続欠格者が作成した、相続欠格者であることを証する書面(印鑑証明書付)または確定判決の謄本が相続登記の必要書類となります。
共同相続人中に相続欠格者がいる場合、その欠格者を除外して相続登記を申請するための「相続欠格者であることを証する書面」としては、当該欠格者の作成した書面(印鑑証明書付)または確定判決の謄本で差し支えない(昭和33年1月10日民事甲4)。
(7) 外国籍の相続人がいるときの必要書類
遺産分割協議をしないでいる間に相続人中の1人が死亡し、その相続人の配偶者が外国籍であった場合、数次相続によりその配偶者も相続人として遺産分割協議に参加することになります。このような場合、死亡した配偶者の戸籍の婚姻事項に、「婚姻日」「配偶者氏名」「配偶者の国籍」「配偶者の生年月日」が記載されていれば、相続人であることの証明になります。また、外国人についても住民登録がされている市町村で、印鑑登録をして印鑑証明書の交付を受けることができるので、日本人である相続人の場合と同じく、遺産分割協議書に署名し実印により押印します。詳しくは、相続登記で外国籍の相続人がいるときのページをご覧ください。
(8) 不在住証明書
不在住証明書とは、証明する日現在で「証明書の住所に住民票がない」ことを証明するものです。相続登記では、被相続人の「登記簿上の住所」と「最後の住所」とが異なる場合で、登記簿上の住所の記載がある住民票除票(除籍の附票)などが取得できないときなどに提出します。不在住証明書により証明できるのは、死亡時に登記簿上の住所に住んでいなかったことだけですが、他の書類では同一性を証明できない場合に、その反対資料として提出するものです。
(9) 特別受益証明書(相続分がないことの証明書)
相続人中に特別受益者(民法903条2項)に該当する人がいるときに、特別受益者が作成した特別受益証明書(相続分がないことの証明書)を添付しての相続登記をすることがあります。特別受益証明書(相続分がないことの証明書)には、特別受益者が署名し実印により押印します(印鑑証明書を添付)。かつては、事実上の相続放棄をするため、また、遺産分割協議をする際、未成年者と親権者との間で利益相反になる場合に利用されるケースもあったようです。詳しい情報は、相続分のないことの証明書(特別受益証明書)とはもご覧ください。
5.相続登記の必要書類(遺産分割協議による場合)
遺産分割協議による相続登記で通常必要になる書類について解説します。個々のケースによっては、他にも書類が必要になることがあります。また、各書類の詳細については、上記の解説をご覧ください。
(1) 被相続人の戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
被相続人の出生の記載のある除籍(改製原戸籍)謄本から、死亡の記載のある戸籍謄本等に至るまでのすべてが必要です。
(2) 被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)
被相続人の死亡の旨の記載のある住民票除票(本籍の記載入り)、または戸籍の附票。
(3) 相続人全員の戸籍謄本
不動産を相続される方だけでなく、相続人全員の戸籍謄本が必要です。相続開始後(被相続人の死亡後)に取得したものでなければなりません。同じ戸籍に入っている方がいらっしゃる場合、別々に取る必要はありません(被相続人の配偶者であれば、被相続人の戸籍謄本と同じものですし、未婚の子であれば、被相続人の戸籍と同じものであるのが通常です)。
(4) 相続人の住民票(または、戸籍の附票)
相続登記の申請人(相続により不動産を取得する方)のもののみで足ります。住民票は本籍地を省略しないでください。
(5) 相続人全員の印鑑証明書
相続人全員についての遺産分割協議書に押した印鑑についての印鑑証明書が必要です。この印鑑証明書の期限はとくに定められていません。
(6) 遺産分割協議書
相続人全員が署名し、実印により押印します。
(7) 固定資産評価証明書
登記する年度の固定資産評価証明書が必要です。なお、現在では固定資産税の課税明細書を提出すれば、固定資産評価証明書の原本は不要である場合が多いと思われます。
(8) 相続関係説明図
相続登記を申請する際に相続関係説明図を提出すれば、戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本についてはコピーの提出などをすることなく、登記完了後に原本の返却を受けることが出来ます。
(9) 委任状(代理権限証明情報)
委任による代理人が登記申請をする場合、委任状の添付が必要です。相続登記の申請の代理人となるのは司法書士(または弁護士)に限られます(司法書士に相続登記を依頼した場合、司法書士が作成した委任状に署名押印をいただきます)。司法書士に依頼せず相続人(申請人)自身が登記申請をする場合、代理人ではなく本人による登記申請ですから委任状は不要です。
6.相続登記の必要書類(遺言による場合)
遺言による相続登記で通常必要になる書類について解説します。個々のケースによっては、他にも書類が必要になることがあります。
(1) 被相続人の戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
遺言書を添付しての相続登記では、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)が必要書類となります。
(2) 被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)
被相続人の死亡の旨の記載のある住民票除票(本籍の記載入り)、または戸籍の附票。
(3) 相続人の戸籍謄本
相続登記の申請人(不動産を相続される方)の戸籍謄本。その他の相続人の戸籍謄本は不要です。相続開始後(被相続人の死亡後)に取得したものでなければなりません。
(4) 相続人の住民票(または、戸籍の附票)
相続登記の申請人(相続により不動産を取得する方)のもの。住民票は本籍地を省略しないでください。
(5) 遺言書
公正証書遺言、法務局における遺言書保管制度を利用した自筆証書遺言は、遺言書の検認は不要です。それ以外の遺言書については、家庭裁判所で遺言書の検認を受け、検認済証明書が付いた遺言書が必要です。
(6) 固定資産評価証明書
登記する年度の固定資産評価証明書が必要です。なお、現在では固定資産税の課税明細書を提出すれば、固定資産評価証明書の原本は不要である場合が多いと思われます。
(7) 委任状(代理権限証明情報)
委任による代理人が登記申請をする場合、委任状の添付が必要です。相続登記の申請の代理人となるのは司法書士(または弁護士)に限られます(司法書士に相続登記を依頼した場合、司法書士が作成した委任状に署名押印をいただきます)。司法書士に依頼せず相続人(申請人)自身が登記申請をする場合、代理人ではなく本人による登記申請ですから委任状は不要です。
7.必要書類の取得の方法
相続登記のおもな必要書類の取得方法について解説します。印鑑証明書以外の必要書類の多くは、司法書士が代わりに取得することが可能です(委任状が必要な場合もあり)。
(1) 戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
戸籍謄本は本籍地のある役所(市役所、区役所、町役場、村役場)で取得します。役所の窓口へ行って交付を受ける他、郵送によることも可能です。除籍謄本、改製原戸籍謄本については、現在の本籍地ではなく、その当時に本籍地のあった役所で取得しなければなりません。
(2) 住民票、印鑑証明書
住民票、印鑑証明書は、現在の住所地(住民登録のある)の役所(市役所、区役所、町役場、村役場)で取得します。印鑑証明書については印鑑登録をする必要がありますが、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)と、登録する印鑑を役所に持参すれば即日手続きが可能です(印鑑登録する本人が役所へ行く場合)。
(3) 固定資産評価証明書
不動産所在地の役所(市役所、区役所、町役場、村役場)で取得します(東京23区については、都税事務所で取得します)。固定資産評価証明書は登記をする年度のものが必要です(令和5年4月1日から令和6年3月31日に相続登記申請をする場合、令和5年度の固定資産評価証明書となります)。公衆用道路(私道)など固定資産税が課税されていない土地の場合、近傍宅地の評価額を記載してもらいます。
8.相続登記の必要書類の原本還付
相続登記の申請をする際、必要書類についてはその原本を提出しなければならないのが原則です(固定資産税の課税明細書を除く)。ただし、原本還付の手続きをすることにより、登記完了後に書類の原本を返却してもらうことが可能です。
戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本については、相続関係説明図を提出することによりコピーの提出をすることなく原本の返却を受けることが出来ます。それ以外の必要書類についてはコピーを提出し、そのコピーに「原本に相違ありません」と記載し、申請人(または代理人)がそのコピーに署名(記名)押印します。一般的な遺産分割協議による相続登記であれば、遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書、申請人の住民票、被相続人の住民票除票について、この原本還付の手続きをおこないます。
なお、固定資産評価証明書の代わりに固定資産税の課税明細書を提出する場合には、課税明細書の写し(コピー)を提出します。
9.相続登記は松戸市の高島司法書士事務所へ
相続登記のことなら何でも千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)へご相談ください。
高島司法書士事務所(千葉県松戸市)は、2002年2月の事務所開業から20年以上の豊富な経験と実績があります。これまでに当事務所が取り扱った相続登記の申請件数は1,100件を超えています(司法書士高島一寛が代理人として申請した、事務所開業時から2022年12月までの相続登記件数の実績)。
当事務所の特徴は、ホームページやブログをご覧になってお問い合わせくださった、個人のお客様からのご相談、ご依頼がたいへん多いことです。これは2002年の事務所開業当初からホームページを解説し、情報発信をおこなってきたからです。
代襲相続や数次相続の関係する難しい相続登記の取扱い経験も豊富です。初回のご相談、お見積もりはいつでも無料でうけたまわっていますので、まずはご相談にお越しください。
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