当事務所へ株式会社設立登記をご依頼いただいたき、最短のスケジュールで手続きが進んだ場合には、次のような手続きの流れとなります。

なお、ここでの解説は、出資は現金のみであり(現物出資をおこなわない)、定款は当事務所定型のものをベースとすることを前提とします。また、打ち合わせは原則として当事務所へお越しいただきます。

上記の条件を満たしているときには、ご依頼から1週間程度での株式会社設立も十分に可能です。もしも、さらに短期間での設立をご希望の場合はご相談ください。

1.株式会社設立の手順(取締役会を置かない会社の場合)

1-1.会社定款の作成

商号、本店所在地、目的、資本金、役員(取締役)、決算期などを決定し、会社定款を作成します。

このとき、発起人(出資者)、および取締役に就任される方の「個人実印の印鑑証明書」をお預かりします。ご自身が出資し、代表取締役に就任されるのであれば、印鑑証明書を2通ご用意ください。

1-2.会社印鑑の作成、出資の履行

司法書士が類似商号の調査をした後、法務局に届け出する印鑑(会社実印)を作成してください。

また、出資の履行もこのときにおこないます。代表取締役に就任される方が新たに銀行預金口座(個人のもの)を作り、そこに入金(または振込)することで出資金の払い込みをします。

1-3.株式会社設立の必要書類への押印

1-2でご用意いただいた、会社実印、銀行預金通帳、および個人実印をお持ちください。印鑑をいただく書類は次のようなものです。
書類作成はすべて司法書士がおこないますから、内容をご確認の上、印鑑をいただくだけで手続きは済みます。

・定款作成、電子認証の委任状(株式会社定款を合綴)
・発起人決定書(株式の割当、資本金の額を決定)
・資本金払込証明書(通帳のコピーと合綴)
・設立時取締役及び本店所在場所決定書
・取締役の就任承諾書
・登記申請の委任状
・取締役の調査報告書
・印鑑届、印鑑カード交付申請書

1-4.定款認証、会社設立登記

公証役場での定款認証、法務局での登記申請をします。いずれも、司法書士が代理人として手続を行います。登記費用は会社設立日の前日までにお振り込み、またはご持参ください。

法務局に会社設立登記申請をした日が会社設立日(創立記念日)です。登記申請日から通常1週間程度で登記が完了するので、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)、印鑑証明書を取得します。

株式会社設立登記の手続きは完了です。登記申請までの準備を1週間でおこなったとすれば、設立準備開始から最短2週間程度で登記手続きが完了することになります。

2.株式会社設立手続きの注意事項

2-1.法務局届出印(会社実印)の作成について

法務局届出印(会社実印)の作成は、司法書士より、類似商号調査についての結果報告があった後にしてください。

現在は、本店と商号が全く同一の場合を除き、会社の商号は自由に付けることができます。しかし、他の会社と誤認される恐れがある商号は好ましくありませんので、ご希望の商号と類似する商号が同じ市区町村内にすでに設立されていないかの調査をしています。

2-2.銀行預金通帳の作成について

株式会社設立の際、出資金の払い込みに使用する銀行預金通帳は、代表取締役に就任される方の個人名義のものです。株式会社設立前に、会社名義の通帳を作ることはできないからです。

また、個人のお金と、会社のお金の区分けを明確にするため、通常は新たに銀行預金口座を開設していただいております。株式会社設立登記手続きが完了した後に、会社名義の銀行座を作成したら、そこに資本金を移します。

2-3.出資金の払い込みについて

出資金の払い込みは、出資のための払込金額について発起人全員による同意がなされた後に行います。したがって、出資のための払込金額について定めた定款、または発起人決定書の作成後であれば、定款認証より前に行っても差し支えありません。そこで、最短のスケジュールとするため、上記手順1-2,1-3を同日に行うことを前提の手順としています。

なお、かつては銀行へ出資金を払い込み「払込金保管証明書」を発行してもらう必要がありましたが、 法改正によって不要になりました。このことによっても、株式会社設立に必要な時間が短縮されています。