松戸の高島司法書士事務所では2002年の新規開業時から債務整理業務を取り扱ってきました。

当事務所が新規開業した2002年頃は、債務整理業務を手がける若手司法書士が今よりも多くいました。現在では、不特定多数の人からの債務整理相談を受け付ける弁護士(法律事務所)が増えているせいもあり、新たに債務整理業務を手がけようとする司法書士は減少していると思われます。

それでも、当事務所では千葉県松戸市で新規開業してから20年近くもの間、債務整理業務を手がけており、現在も主要業務の1つとなっています。さらに、新型コロナウイルス禍が続く現在、債務整理のご相談・ご依頼が再び増加しています。

当事務所でも債務整理業務への相談体制を強化する必要性を感じているところですが、今後のために司法書士が取り扱う債務整理業務についてまずは少し振り返ってみることにします。

債務整理のご相談を強化中(目次)

1.簡裁訴訟代理権の獲得

2.債務整理相談が減少した理由

3.弁護士による債務整理の窓口が増加

4.松戸市内からの債務整理相談を増やすには

5.債務整理関連のキーワードのSEO対策

1.簡裁訴訟代理権の獲得

2002年の開業当初は認定司法書士の制度ができる前だったため、特定調停、自己破産、個人再生手続の申立書作成をおこなっていました。その後、2003年7月に行われた最初の簡裁訴訟代理等能力認定考査に合格したことで、任意整理手続きの取り扱いを開始しています。

認定司法書士よる任意整理については、債権者1社あたりの元金が140万以下に限られるとの制限はあるものの、裁判外の和解業務についての代理権が得られたことにより、債権者に受任通知を送付できるようになったのは、司法書士の債務整理に革命的な変化をもたらしました。

2.債務整理相談が減少した理由

その後、過払い金請求とあわせて、債務整理業務が売上の大部分を占めていたような時期もありましたが、近年では当事務所の債務整理関連業務は大きく減少しています。その理由として、次のようなことが考えられます。

第1には、改正貸金業法が平成22年6月に完全施行されたことが、多重債務者の減少にそれなりの効果を挙げたこと。

かつては、消費者金融5,6社を回ることで、1日に数百万円の借入をするようなことも容易に出来ました。しかしながら、消費者金融の金利は今よりも高く、取り立てははるかに厳しかったため、短期間のうちに返済不能に至ることが多かったのです。

現在では、消費者金融による融資に代わって、銀行による貸し付けが多重債務の原因となることが増えています。銀行については貸金業法による総量規制の対象外なので、1社あたりで200万円とか300万円とかの大きな金額を貸し付けているケースがあります。

それでも、かつての消費者金融よりは貸出金利が低いこともあり、返済不能に陥るまでのスピードが少しは緩やかになっているように感じます。

また、司法書士による債務整理に関していえば、1社あたりの元金が140万円を超えている場合には、認定司法書士であっても任意整理をすることは出来ないので、1社あたりの貸付金額が大きくなったことで、司法書士が関与できる債務整理業務が減っていることもあります。

3.弁護士による債務整理の窓口が増加

現在では、「債務整理 松戸」のようなキーワードでGoogle検索すると弁護士(法律事務所)によるウェブサイトが多数表示されますが、かつては、債務整理の相談を受け付けてくれる弁護士を見つけるのは容易なことではありませんでした。

誰かからの紹介が無い限り、一見さんからの相談は受け付けていない弁護士が普通でしたし、ウェブサイトから相談受付をしている法律事務所もごく僅かでした。さらには、債務整理業務を積極的に取り扱う弁護士も今より少数だったので、債務整理なら弁護士に相談すべきだとは思っても、相談できる弁護士がなかなかいなかったのです。

そんな事情もあり、ウェブサイトにより債務整理の相談を受け付けている司法書士事務所には、多数の相談依頼が簡単に入ってきたのです。千葉県松戸市にある当事務所へも、松戸市周辺にお住まいの方だけでなく、千葉県、東京都、埼玉県、茨城県などに在住の方から多くのご相談が入っていました。

それが今では、ウェブサイトから相談を受け付ける法律事務所が数多く存在するようになっているので、司法書士である当事務所へのご相談やお問い合わせは減少したわけです。競合は松戸市内にある法律事務所だけで無く、全国規模で支店を構える法律事務所もありますし、派手に広告宣伝している司法書士法人などに流れていく相談もあるでしょう。

4.松戸市内からの債務整理相談を増やすには

当事務所では、債務整理のご相談が減少しているのに対応するべく、相続関連業務の取り扱いを増やしてきました。不動産の相続登記や、相続放棄申立てのほか、預貯金の相続手続きなどに力を入れることで、債務整理業務からの売上減少を補えるようにしたわけです。

ところが、2020年に入ってからの新型コロナウイルス禍による影響が、秋を迎えた今になり深刻になりつつあります。

もともと、当事務所への新規お問い合わせのほとんどはウェブサイト経由であり、現在も相続関連のキーワード(相続登記、相続放棄など)での検索順位に大きな変動は見られません。また、ウェブサイトへのアクセス数がとくに変動しているわけでもないのに、9月以降の新規ご相談が激減している状況です。

ウェブサイトへのアクセス状況が変わっていないのに新規のご相談が激減しているというのは、やはり新型コロナウイルスの影響により外出を控えている人が多いというのが原因の1つでしょう。

相続関連業務については、高齢者からのご相談・ご依頼の比率が高いため、とくに急を要すると考える相談以外は先延ばしにしているケースが多いと予想します。「新型コロナウイルスへの感染が心配だから急いで遺言書を作成したい」とか、「在宅勤務で時間が取れるから今のうちに相続手続きを進めたい」というようなご相談もありましたが、そのようなケースはごく一部なのでしょう。

相続関連業務のご相談が増えるにしたがい、同時に債務整理業務を多数おこなうのは難しかったため、債務整理のご相談が減少していくことをあまり気にとめていませんでした。債務整理を取り扱う法律事務所が増えているのだから、それで何も問題無いだろうと。

しかし、このままでは事務所の経営継続も不安になっていく状況であり、それならば、現実に需要が増えていると思われる債務整理業務に、再び積極的に取り組もうと考える次第です。今でも少数であってもコンスタントに債務整理業務を取り扱っていますから、再び主要業務としておこなうことに全く問題はありません。

5.債務整理関連のキーワードのSEO対策

債務整理のご相談を再び増やすためにまず出来ることは、債務整理関連のキーワードについてのSEO対策です。久しぶりにGoogle検索順位を確認してみると、当事務所運営サイトの順位はだいぶ下落していました。

債務整理・借金返済の相談のページが、「債務整理 松戸」で3位、「任意整理 松戸」で8位に入ってはいますが、これでは多数のご相談を集められるはずがありません。

他には、「自己破産 松戸」で自己破産(個人債務者)が4位、「個人民事再生 松戸」で個人民事再生(個人債務者再生手続) が2位になっていますが、全般に順位が落ちているようです。

そこで、しばらくは債務整理関連のキーワードについてのSEO対策を集中的におこなってみたいと思います。とくに「個人再生 松戸」では11位など、ほとんど集客効果が失われているであろうキーワードもあるので。

あまり大きな声では言えませんが、債務整理の集客についてはコンテンツの良し悪しよりは、以下に相談者の目に触れるかが勝負であるようにも思います。「一番先に出てきたから連絡してみた」というようなきっかけが多いように感じるからです。

債務整理専門の上記サイトについては、この数年ほとんど更新をおこなっていなかったものの、債務整理や自己破産などではそれなりの上位に位置しています。再びSEO対策に力を入れれば、年内には順位を上げて集客に繋げることも可能だと考えています。

結果については、私が書いている別のブログ(司法書士のSEOブログ)でそのうちご報告したいです。